研究課題/領域番号 |
22K17252
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
伊藤 翔太 広島大学, 病院(歯), 助教 (10881261)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | miRNA / miR-125b / 骨代謝 |
研究実績の概要 |
申請者はこれまでに骨芽細胞由来のmiR-125b-5pが骨芽細胞特異的過剰発現マウスにおいて破骨細胞分化を抑制し骨量の増加に寄与することを報告した(Int J Mol Sci, 2021)。本研究では、miR-125bKOマウスを解析することでmiR-125bの骨代謝における生理的意義を解明し、miR-125bを標的とした新たな骨増生方法の可能性を模索することを目的として、検証を進めた。 昨年度実績として、miR-125b-5pは2つの遺伝子座(miR-125b-1およびmiR-125b-2)に由来するため、まずそれぞれのKOマウスの作製に取り掛かった。miR-125b-1KOマウスはホモマウスが得られず胎生致死であると判断し、miR-125b-2KOマウスにおける表現型を解析したところ、体重・体躯に顕著な差異は認められず、脛骨の骨体長、骨量、骨密度および海綿骨骨梁に関するCTパラメーターにも有意な差を示さなかった。組織学的所見も同様に有意な変化は認められなかった。本実験は現在、SCI論文を投稿中である。 以上のことから、本年度はmiR-125b-1の機能解析を行うことを目的とし、miR-125b-1コンディショナルKOマウスの作製に着手した。miR-125b-1FloxマウスはNational Taiwan UniversityのHuらから分与され、CreERT2マウスはJaxon Laboratoryから購入した。現在、Cre/loxPシステムを利用して全身性miR-125b-1コンディショナルKOマウス(mIR-125b-1fl/fl, CreERT2/mice)を作製するための交配中である。また、同時に、CRSPR/Cas9 Systemを用いてマウス骨髄間質細胞株ST2細胞からmiR-125b-1、miR-125b-2それぞれのKO細胞を樹立し、解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は当初、miR-125b-1およびmiR-125b-2コンベンショナルKOマウスの交配によりmiR-125b-1,2ダブルKOマウスを作製し、miR-125b-5pの生理的意義を解析する予定であった。しかしながら、miR-125b-2KOマウスが胎生致死であったことから、まず細胞実験でmiR-125b-1および-2をそれぞれKOさせた実験系を開始した。また、Cre-LoxPシステムを用いてmiR-125b-1コンディショナルKOマウスを作製するよう方針転換を行ったため、当初計画よりも実験が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
miR-125b-1コンディショナルKOマウス作製の準備は順調で、現在miR-125b-1fl/flマウスおよびCreERT2マウスの交配を開始している。次年度中に目的のマウスを作製し、タモキシフェン投与下での表現型解析および骨折治癒下での骨代謝解析を行うとともに、ST2細胞を用いて樹立したmiR-125b-1および-2の解析結果についての学会発表を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
目的のマウス作製に遅延が生じていることと、これまでに発表機会を多く得られていないため、マウス飼育費、in vivoでの実験計画、学会発表および論文投稿費用のために次年度へ費用を繰り越した。
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