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2023 年度 実施状況報告書

大規模災害時の医療機関でのライフライン途絶に対する『籠城支援』教育アプリの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K17315
研究機関愛知医科大学

研究代表者

高橋 礼子  愛知医科大学, 災害医療研究センター, 講師 (10728752)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード災害 / 籠城支援 / ライフライン支援 / 機能維持 / 事前リスト / 教育ツール / EMIS / 人材育成
研究実績の概要

申請者は、災害時の医療機関へのライフライン支援(籠城支援)の方策周知を目的に、医療機関の被災状況データ等の分析・評価・支援優先順位付けを行う教育ツールとして、『災害時病院対応と病院籠城支援シミュレーション(DHCoS)』を開発した。本研究は、従来型DHCoSの課題(非集合型での実施、標準的な手法の整理、初級者向けの簡易版の設定等)の改善を図ると共に、近年の災害対応の知見も組込んだ、より実践的な籠城支援教育アプリ開発を目的とし、①実災害での対応を基に都道府県庁レベルでの籠城支援手法を標準化、②従来型DHCoSに①で標準化された手法を組込み整合性を確認、③仮想都道府県での演習資料の再構築とアプリ化(上級者編・初級者編)、④ DHCoSアプリをDMATインストラクター等で検証しアンケート調査で評価、⑤アンケート結果を基にアプリを修正・公開を行う。本研究により、本部における籠城支援能力の向上及び対応人材の拡大に繋がり、災害時に地域全体で医療機能を継続するための体制構築が期待できる。
2023年度は、前年度整理した事前リストの項目・内容を精緻化し、「病院避難の可能性の高い病院リスト」「物資支援の可能性の高い病院リスト」としてより明確な成果物が出来るよう、演習を再整理した。また③の仮想都道府県での演習(簡易版)を作成の上で、防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)に日本災害医学会からのブースとして出展し、参加者(一般医療者や学生等が中心)に実践して頂いた。概ね好評であり、初級者向けには仮想都道府県での演習でも問題ないと考えられた。またアプリ化については、同演習をシステム工学の専門家にも参加頂き、アプリ化もしくはWeb上で実施可能な形態への再構築方法について検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2023年度中にアプリ(もしくはWeb上での実施可能な形態)を開発予定であったが、能登半島地震により申請者及び協力者が被災地内外での支援に1~2か月専従することとなり、その後も継続的に支援を行っているため、アプリ化は机上演習からの再構築方法の検討まででとどまっている。

今後の研究の推進方策

2024年度は能登半島地震での病院避難・物資支援の状況を検証し、その知見を本演習・アプリに盛り込む必要性についても検討する。併せて初級者向けアプリ(もしくはWeb上で実施可能な形態)の作成について、開発者と具体的に手法を整理する。また上級者向けには実際の各都道府県での実施に向けたTOT(Training of Trainers)教材として、演習の進行スライド(準備・解説ポイント等含む)及び演習資料(作成方法等含む)を作成し、WEB公開を検討する。

次年度使用額が生じた理由

能登半島地震によりアプリ(もしくはWeb上での実施可能な形態)開発が出来ず、アプリ開発費として予定していた金額がほぼ次年度に回る形となってしまった。来年度は早期にアプリ化を進めると共に、検証用の機器購入にて助成金を使用させて頂く予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 病院避難の見積もりと回避~事前リストを用いたシミュレーションと実際の対応~2024

    • 著者名/発表者名
      高橋礼子、鈴木教久、市原正行、松田宏樹、三村誠二、若井聡智、近藤久禎
    • 学会等名
      日本災害医学会
  • [学会発表] 災害医療ロジスティクスから考える籠城支援と対策2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木教久、松田宏樹、高橋礼子、近藤久禎
    • 学会等名
      日本災害医学会

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公開日: 2024-12-25  

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