研究課題/領域番号 |
22K17574
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
田代 尚範 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (70645100)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 横隔膜超音波評価 / 人工呼吸器離脱 / 人工呼吸器誘発横隔膜機能障害 |
研究実績の概要 |
研究1)横隔膜超音波評価に基づいて人工呼吸器離脱の臨床的意思決定を行う有効性の評価についてランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビュー 人工呼吸器離脱時に横隔膜超音波評価を用いたRCTが、いくつか報告がされており、離脱成功率の向上やweaning期間の短縮など従来の身体所見評価と比較し精度が高いことが示されている。しかし、これらのRCTをまとめ、有効性を評価したシステマティックレビューはこれまでに存在しない。本研究では人工呼吸器離脱時の横隔膜超音波評価の有効性をRCTのシステマティックレビューで検証し、新たな人工呼吸器の離脱指標を臨床現場での応用へ繋げていくことである。令和4年度はシステマティックレビューのプロトコール論文を作成し、現在、英文雑誌へ投稿中である。
研究2)後方視的観察研究 既存のRCTは年齢が30-50歳代と若く、体重80kg代やBMI>30kg/m2と体格が大きい海外の患者を対象としており、本邦の臨床現場に多い体格が小さい高齢患者の研究対象者とは異なるため、結果の解釈には乖離が生じる。本研究では、体格の小さい高齢患者を含めた本邦の実際の臨床現場の患者を対象とし、人工呼吸器離脱の際に、従来の身体所見に加えて横隔膜超音波評価を行うことの臨床的有効性を後方視的観察研究により検証する。令和4年度は、健常者に対して横隔膜超音波評価を行い、信頼性を検証した。Landis の判定基準において検者内信頼性はsubstantial、検者間信頼性はfairからsubstantialと特に検者間における信頼性は不十分であった。次年度は、評価方法を検証し、後方視的観察研究に繋げていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1)人工呼吸器離脱時の横隔膜超音波評価の有効性をRCTのシステマティックレビューで検証するために、予定通りシステマティックレビューのプロトコール論文を作成、英文雑誌へ投稿中であり、概ね順調に進んでいる。 研究2)令和4年度は研究代表者の勤務地が変更となり、本邦の実際の臨床現場の患者を対象とした後方視観察研究は、予定していたパイロット研究までは行えず、信頼性検証までとなった。しかし、超音波評価の信頼性を高めることは本研究において非常に重要であり、信頼性の検証結果に関して論文作成中である。次年度は、本結果を踏まえて、後方視観察研究へ進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究1)プロトコール論文掲載後、フル・レビュー論文の作成に向けシステマティックレビュー・メタ解析を行う。 研究2)横隔膜超音波評価の信頼性を高め、観察研究を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必要な汎用超音波画像診断装置が今年度の予算では購入できなかったため、次年度の購入を計画している。
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