研究課題/領域番号 |
22K17588
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
矢野 雄大 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (10771389)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 重症大動脈弁狭窄症 / TAVI / フレイル / 栄養 / 術前リハビリテーション |
研究実績の概要 |
当該年度については、後方視的な検討を2つの側面から実施した。1点目は重症ASに対して、術前から運動療法を実施することにおいて、低栄養の有無によって効果に影響が出るかを検証した。両群間では栄養状態に加え、炎症のデータ、心不全の重症度を示すデータなどで低栄養群で有意に高値であった。これら背景因子に差がある条件下ではあるが、どちらの群においてもフレイルの指標に用いられるShort Physical Performance Battery(SPPB)の下位項目において有意な改善の効果があったことが確認された。両群間でSPPBの数値が維持・改善した者の割合についても両群間で有意差を認めず、術前の栄養状態を問わず、ASに対する術前からの運動療法が効果的であることが示唆された。また両群ともにリハビリテーションの中止に至るレベルの有害事象を認めずに安全に実施可能であることが示唆され、その安全性についても確認された。 2点目の検討では、重症AS患者を術前フレイルの有無で術前からの運動療法の効果を検証した。非フレイル群では術前後で身体機能が維持された一方で、フレイル群ではSPPBの合計点および下位項目で有意な改善が認められた。さらに、入院関連機能障害(HAD)の発生率についても、有意差は認めないものの、非フレイル群で29%、フレイル群で17%とフレイル群で機能障害の発生率を抑制された可能性が示唆された。しかし、転帰については非フレイル群で自宅退院率が有意に低値にとどまっていたことから、栄養療法による改善効果の上乗せが期待されるところであることが再認識された。 どちらの検討も学会報告を行い、後者については関連学会において最優秀演題賞を獲得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度には術前運動療法と栄養療法の併用の効果検証のための介入研究を開始予定としていたが、まだその段階に至っていないため、進捗状況としては当該区分となった。
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今後の研究の推進方策 |
術前運動療法および栄養療法についての介入研究の開始へ進めていくため、倫理委員会への申請など上半期で準備を進めていき、申請が許可され次第、データ収集へと速やかに移行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
介入研究の開始に至っておらず物品費の項目で備品などの購入の必要がなかった点、またその他の項目でも支出が抑えられている点などから次年度使用額の発生に至った。次年度には介入研究を開始していく計画となっているため、該当年度より物品や備品の追加購入などで必要経費の増加が見込まれている。
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