研究課題
がん性悪液質は進行がん患者の80%に発生し、治療忍容性を低下させ疾患予後を低下させる。がん性サルコペニアはがん性悪液質の主たる原因と考えられ、この克服はがん患者の予後とQOLの改善に直結している。本研究では、中鎖脂肪酸のがん性サルコぺニアに対する効果を動物モデルを用いて検討を行った。CT26マウス大腸癌細胞を同系のBALB/cマウス腹腔内に接種し悪液質モデルを作製した。接種後10日以降に体重減少と腹水貯留が見られ、大腿4頭筋重量は30%減少した。この系に、ラウリン酸(C12)、カプリン酸(C10)、および、カプリル酸(C8)の三種の中鎖脂肪酸を標準食に2%w/wで混じて経口投与すると、C12とC8では筋重量の回復が認められた。このとき、血中ケトン体を測定すると、C8のみでケトン体の増加が認められた。
2: おおむね順調に進展している
初年度は、3種の中鎖脂肪酸のがん性サルコペニアへの効果とともにケトン体生成について検討を行った。
本年度は、同様のがん性サルコペニアモデルを用いて、3種の中鎖脂肪酸のサイトカインにに対する効果を検討する予定である。
悪液質動物モデルに使用するマウスの納入が年度を超えてしまったため。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Oncotarget
巻: 13 ページ: 122~135
10.18632/oncotarget.28170
http://www.naramed-u.ac.jp/~molepath/