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2022 年度 実績報告書

創造性の認知基盤の統一的理解:創造性育成のための音楽の活用を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 22K17986
研究機関東京大学

研究代表者

大黒 達也  東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任助教 (60886464)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2023-03-31
キーワード創造性 / 音 / 音楽 / 創造的体験 / 脳波 / アルファ波 / 計算モデル
研究実績の概要

本研究は,計算モデル,認知心理学,神経科学を融合し創造性の認知基盤(知覚・生成)を統一的に理解するのが目的である.先行研究では,クリエイティブな絵や音楽を享受すること(創造的体験)で,自身の創造性も高まることが示唆されている.そこで本研究ではまず,創造的体験に重要な認知基盤と,創造的体験を促進する音環境を調べた.約3000人を対象としたオンライン実験を通して,様々な音を聞いた時の,創造的体験の強さと,それに関わる感情成分を調査した.その結果,音から感じる「広がり感」が創造的体験に重要であることがわかった.次に,脳波を用いて,創造的体験をしている時の脳の活動を調べた.その結果,創造的体験によって,前頭野領域のアルファ波が向上することがわかった.創造性が高い時,脳の前頭野領域のアルファ波も強くなることが多くの研究で示されている.本研究により,音の創造的体験によって脳のアルファ波が向上し,それによって,その後の自身の創造性も高まっている可能性がある.本研究は,現在学会発表の準備中である.
さらに,本研究では,脳の統計学習の計算モデルを用いて,統計学習から創造性がどのように生まれるのかを構成的に調べた.音楽統計学習の計算モデルに基づいて,統計学習する際の外的刺激への敏感さ(認知個性)が異なる3つのモデル(hypo-, normal-, hyper-sensitivity)を比較した.その結果,hypo-sensitivityやnormal-sensitivityモデルに対してhyper-sensitivityモデルで生成した曲は,学習した原曲と統計的特性が似ていることがわかった.この結果から,認知個性の違いは,創造性に影響を与えていることを示した.本研究成果は,複数の学会やシンポジウムで既に発表し,現在,英語論文を執筆中である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 脳の統計学習にともなう聴覚認知システムの発達基盤の計算論的理解2022

    • 著者名/発表者名
      大黒達也, 堀井隆斗, 大関洋平, 長井志江
    • 学会等名
      日本発達神経科学会
  • [学会発表] 脳の統計学習にともなう聴覚認知システムの発達基盤の計算論的理解2022

    • 著者名/発表者名
      大黒達也, 堀井隆斗, 大関洋平, 長井志江
    • 学会等名
      日本音響学会聴覚研究会

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公開日: 2023-12-25  

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