研究課題/領域番号 |
22K18040
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
王 偉倩 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (20897631)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アレルギー性花粉 / バイオセンサー / 大気汚染物質 |
研究実績の概要 |
本年度の研究実施では、草本類花粉とそのアレルゲンへのガス状及び粒子状大気汚染物質の影響(花粉活性、花粉の形態、タンパク質とアレルギー性等)を評価する。 特に、関東都市部の花粉に注目し、そのアレルゲンと大気汚染物質との反応メカニズムを調査し、細胞系試験による健康リスクを評価することで、大気環境化学や健康影響評価を行う。エライザ法(ELISA)によるアレルギー性の計測だけではなく、タンパク質結合能の変化も計測できる表面プラズモン共鳴法(SPR法)も取り入れた調査も行う。従来手法に加えて、活細胞中にアポトーシス信号としてのCaspase-3バイオセンサーによる細胞毒性評価のシステムも構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度では、まず、関東地区の秋イネ科、ブタクサ等の草本類花粉の花粉飛散期において、大気中の花粉、花粉アレルゲン物質の捕集・計測とイオン成分、発がん性物質を含む微小粒子に関する特性解析を行ってきている。それらの超微小粒子分布することを解明する。 固気流動床型反応器を試作してラボ曝露装置を改善する。この装置では温度、湿度、ガス状汚染物質(SO2, NO2, O3)濃度を調整し、花粉へ曝露することを可能である。特に、硝酸イオン成分に花粉破裂する促進することの確認に行ってきている。細胞毒性指標として、Hela,NIH3T3 細胞中にアポトーシス信号としてのCaspase-3バイオセンサーによる細胞毒性評価のシステムも構築する。すでに3編以上の論文を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
ラボ曝露実験を実施して、花粉アレルゲン性タンパク質の物理的・化学的な変性、アジュバント作用増強の可能性を調査する。特に、大気汚染物質とタンパク質の変性プロセスを解析、メカニズムの解明について注目を行う。よって、大気環境分野における高効率的なバイオセンサーの実用化研究、ならびにシミュレーション、統計学などの様々な方法を取り入れて体系的に研究を実施する。
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