研究課題
本研究では、主に、関東地区さいたま市の草本類花粉とその花粉アレルゲンの飛散挙動に関して調査を行った。特に、草本類花粉(対象:ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ)の飛散期間は年々長くなることと考えられる。又は、その挙動が気象要因(気温など)などの影響を受けていることが推察された。花粉飛散量が少ない時期においてもアレルゲンが検出されたことから、花粉とアレルゲンの飛散挙動が異なる可能性が示された。ブタクサ花粉の飛散が多い年と飛散が少ない年でAmb a 1濃度の総量はあまり変化せず、むしろ少ない年のほうが1粒あたりのAmb a 1量が多かった。花粉成長期間の気温が高く、降水量が少ない年は花粉飛散数こそ少ないものの、高アレルギー性花粉に注意が必要である。花粉アレルゲンは大気汚染物質によりアレルギー性を変化させる可能性があるほか、花粉と大気汚染物質(イオン成分と二酸化窒素)の反応を分析し、アレルギー性への影響調査を行った。特に、室内暴露実験では、スギ花粉粒の破裂率、タンパク質溶出濃度の結果からは、イオン水溶液によるスギ花粉粒破裂の促進作用を確認できた。また、執行型Caspase-3活性感知センサー分子、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)型バイオプローブを作製して、モデル細胞とした真皮細胞NIH3T3と子宮頸がん細胞HeLaに導入し、大気汚染物質(ベンゾ[a]ピレン溶液と交通排気粒子の水溶液)に暴露しそのアポトーシス誘導することを確認できた。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)
Atmosphere
巻: 14 ページ: 1-15
10.3390/atmos14020247
Journal of Hazardous Materials
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