研究課題/領域番号 |
22K18260
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
志村 健一 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (20265119)
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研究分担者 |
金子 光一 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (30255153)
古川 和稔 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (90461730)
稲沢 公一 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (50278165)
窪田 佳寛 東洋大学, 理工学部, 准教授 (00614629)
横田 祥 東洋大学, 理工学部, 教授 (40434386)
高山 直樹 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (40269387)
佐藤 亜樹 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 准教授 (70756783)
藤木 聡美 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 助教 (40907424)
荻野 剛史 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (00410861)
三重野 清顕 東洋大学, 文学部, 教授 (70714533)
高野 聡子 東洋大学, 文学部, 教授 (00455015)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2027-03-31
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キーワード | 分身ロボット / 相互承認 / 特別支援教育 / 就労 / 重度身体障がい |
研究実績の概要 |
2023年度は研究2年目であり、初年度から準備を進めた研究を実施し、報告する機会を得た。本研究の特色は、特別支援教育を含む社会福祉に関連する実践領域でICTやIoTを利活用する実践を展開し、機器の改良等を進めつつ、その実践について哲学的に考察するところにある。 実績① 公立の特別支援学校(肢体不自由)で登校が難しい生徒の分身ロボットを活用した教育活動を展開した。教室での教育活動等に参加し、それをサポートした他の子どもたち、教員、保護者からデータを得た。また、前年度に公立の特別支援学校(知的障害)で得られた知見を分身ロボットの改良に適用させるための考察を行い、全国規模の学会で自主シンポジウムを開催することができた。 実績② 分身ロボットを介してカフェで就労する重度身体障がいのある人たちのインタビュー調査を実施した。対象者が全国であるため調査そのものもオンライン会議システムにより実施し、カフェの経営側から提供された対象者全員のインタビュー調査を実施した。その成果を質的研究として取りまとめ、重度身体障がいのある人たちの就労経験、就労意義等を国際学会でポスター発表、口頭発表した。 実績③ 外国人介護職員へのインタビュー調査を継続的に行っている。外国人介護職員が職場に適応していくプロセスと、その過程において必要とされる情報機器等について検討することである。2023年度は、4名のミャンマー人介護職員に対し、計2回のインタビュー調査を実施した。 実績④ これらの成果に基づいて、哲学的考察を深化させるために本研究の拠点である福祉社会開発研究センターでの主催研究会で報告し、哲学、社会福祉原論研究の立場から「相互承認」を切り口にシンポジウムを2回開催し、ICTやIoTを利活用して相互承認の価値を共有するための「場」について議論を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究も研究2年目となり、研究が進んで実績を報告できる状態の領域がある。その一方で関係団体との調整が不調に終わり研究がとどまっている領域が混在しており、その点でやや遅れていると判断した。 研究がこれまでにない開拓的な実践に挑戦しようとしている点は、この研究のオリジナリティになっているが、そのための実践現場への説明に時間がかかっている。あらかじめ想定されていたことではあるので、継続的に関わっていくこととしたい。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目で、先駆的な実践へ関わり、また先駆的な実践に挑戦し、そこからデータを得て実践を言語化すること、またその実践で見出した課題について、テクノロジーの観点から改良を試みること、また実践における人びとの関わりについての考察を深めるためのシンポジウムの開催といった一つの流れを作ることができた。 今後の研究については、この流れに則り、実践領域を開拓すること、またすでに実践が行われているところでの調査、またその結果のすり合わせを進めていきたい。特に今後このような先駆的な実践を進めるためには次世代との協働が欠かせない。そのために研究に学生にも参画してもらいながら進めていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での調査、学会発表等が少なかったため、大きな差額となった。次年度以降の研究活動において、海外での調査、報告のために有効活用したい。
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