研究実績の概要 |
複数の音声対話コーパスに対して分析のためのデータ整備を実施することを中心に分析を進めた。Speech-laugh を「強い呼吸とともに生じた笑いながらの発話で,声の震えや気息性のある声質を伴うもの」と定義しアノテーションした。さらに,speech-laughの音素情報を取得するため,コーパスに対して音素ラベリングを行った。分析結果が対話ドメインや年代に依存した内容にならないようにするため,対話ドメインの異なる複数の音声対話コーパスを用意した。ゲーム場面の音声対話コーパスとして感情評定値付きオンラインゲーム音声チャットコーパス(OGVC)を,日常場面の音声対話コーパスとして日本語日常会話コーパス(CEJC)を利用した。Speech-laugh が発声される際の声道形状を分析対象とするため,speech-laugh 冒頭の音素を対象に統計的仮説検定を用いた分析を行った。付与された音素ラベルをより上位の分類にまとめ,母音と子音に分けて分析を実施した。また,調音の影響を調べるため,子音は5 個の調音様式(plosive, nasal, fricative, approximant, flap)と7 個の調音点(bilabial, alveolar, palato-alveolar, palatal, velar, uvular, glottal)にまとめて分析を行った。その結果,speech-laughは特定の音素に依存して発生する可能性が示唆された。 本研究に関連する研究成果として,査読付き学術雑誌で4件の論文を発表した。それ以外にも,査読付き国際会議で3件,解説記事を3件,国内学会で8件の発表がある。
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