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2022 年度 実施状況報告書

Speech-laughの発生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K18477
研究機関千葉工業大学

研究代表者

有本 泰子  千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (60586957)

研究分担者 森 大毅  宇都宮大学, 工学部, 准教授 (10302184)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワードspeech-laugh / アノテーション / コーパス / 分節音
研究実績の概要

複数の音声対話コーパスに対して分析のためのデータ整備を実施することを中心に分析を進めた。Speech-laugh を「強い呼吸とともに生じた笑いながらの発話で,声の震えや気息性のある声質を伴うもの」と定義しアノテーションした。さらに,speech-laughの音素情報を取得するため,コーパスに対して音素ラベリングを行った。分析結果が対話ドメインや年代に依存した内容にならないようにするため,対話ドメインの異なる複数の音声対話コーパスを用意した。ゲーム場面の音声対話コーパスとして感情評定値付きオンラインゲーム音声チャットコーパス(OGVC)を,日常場面の音声対話コーパスとして日本語日常会話コーパス(CEJC)を利用した。Speech-laugh が発声される際の声道形状を分析対象とするため,speech-laugh 冒頭の音素を対象に統計的仮説検定を用いた分析を行った。付与された音素ラベルをより上位の分類にまとめ,母音と子音に分けて分析を実施した。また,調音の影響を調べるため,子音は5 個の調音様式(plosive, nasal, fricative, approximant, flap)と7 個の調音点(bilabial, alveolar, palato-alveolar, palatal, velar, uvular, glottal)にまとめて分析を行った。その結果,speech-laughは特定の音素に依存して発生する可能性が示唆された。
本研究に関連する研究成果として,査読付き学術雑誌で4件の論文を発表した。それ以外にも,査読付き国際会議で3件,解説記事を3件,国内学会で8件の発表がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

言語普遍性の検証を可能とするため,日本語とそれ以外の対話コーパスを対象とする予定であったが,外国語の自発対話音声を入手することが困難であり,実現できていない。その分,年代を拡張して,20代から70代までのspeech-laughラベリングを実施した。そのため,概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

Speech-laugh の発生規則がspeech-laugh らしさに影響しているかどうかを検証するために,speech-laugh合成を実施する。まずは,speech-laugh合成がどの程度自然に生成可能かを複数の手法を比較する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染予防対策のため,海外渡航規制が出ており,国際会議に参加するための渡航費を使用することができなかったこと,外国語のコーパスを購入することができなかったことにより,次年度使用額が生じた。次年度も引き続き外国語コーパスの購入を検討するとともに,次年度の研究発表にかかる費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Phonetic analysis on speech-laugh occurrence in spontaneous gaming dialog2023

    • 著者名/発表者名
      Arimoto Yoshiko
    • 雑誌名

      Acoustical Science and Technology

      巻: 44 ページ: 36~39

    • DOI

      10.1250/ast.44.36

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] コーパス使いますか?作りますか? ―感情音声分析のためのコーパス構築―2023

    • 著者名/発表者名
      有本 泰子
    • 雑誌名

      日本音響学会誌

      巻: 79 ページ: 64~71

    • DOI

      10.20697/jasj.79.1_64

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 自然で表現豊かな笑い声合成に向けた感情情報からの笑い声の構成要素決定法2022

    • 著者名/発表者名
      有本 泰子、今西 利於、森 大毅
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌

      巻: 63 ページ: 1159~1169

    • DOI

      10.20729/00217618

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Physiological study on the effect of game events in response to player's laughter2022

    • 著者名/発表者名
      Fukuda Mikito、Arimoto Yoshiko
    • 雑誌名

      Proceedings of Asia Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference 2022 (APSIPA ASC 2022)

      巻: 1 ページ: 1961-1969

    • DOI

      10.23919/APSIPAASC55919.2022.9979868

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acoustic discriminability of unconscious laughter and scream during game-play2022

    • 著者名/発表者名
      Matsuda Takuto、Arimoto Yoshiko
    • 雑誌名

      Proc. Speech Prosody 2022

      巻: 1 ページ: 575~579

    • DOI

      10.21437/SpeechProsody.2022-117

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Comparison of machine learning algorithms and acoustic features in emotion recognition from spontaneous speech2022

    • 著者名/発表者名
      Iizuka Takahisa、Mori Hiroki
    • 雑誌名

      Acoustical Science and Technology

      巻: 43 ページ: 228~231

    • DOI

      10.1250/ast.43.228

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] How Does a Spontaneously Speaking Conversational Agent Affect User Behavior?2022

    • 著者名/発表者名
      Iizuka Takahisa、Mori Hiroki
    • 雑誌名

      IEEE Access

      巻: 10 ページ: 111042~111051

    • DOI

      10.1109/ACCESS.2022.3214977

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Neural Conversational Speech Synthesis with Flexible Control of Emotion Dimensions2022

    • 著者名/発表者名
      Mori Hiroki、Nishino Hironao
    • 雑誌名

      Proceedings of Asia Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference 2022 (APSIPA ASC 2022)

      巻: 1 ページ: 432-436

    • DOI

      10.23919/APSIPAASC55919.2022.9980105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 対話システムはどのように話すべきか2022

    • 著者名/発表者名
      森 大毅
    • 雑誌名

      日本音響学会誌

      巻: 78 ページ: 283~288

    • DOI

      10.20697/jasj.78.5_283

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 私たちはなぜ,いつ,どのように笑うのか2022

    • 著者名/発表者名
      森 大毅
    • 雑誌名

      日本音響学会誌

      巻: 79 ページ: 57~63

    • DOI

      10.20697/jasj.79.1_57

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 笑い/非笑い条件下で生成される仮想世界のリアクションがゲームプレイヤーに与える効果の検証2023

    • 著者名/発表者名
      福田樹人, 有本泰子
    • 学会等名
      人工知能学会言語・音声理解と対話処理研究会(SIG-SLUD)
  • [学会発表] 話者変換によるデータ拡張を利用した叫び声合成2023

    • 著者名/発表者名
      白鳥恵大, 有本泰子
    • 学会等名
      日本音響学会2023年春季研究発表会講演論文集
  • [学会発表] 笑うプレイヤーを仮想世界に惹きつけるゲームイベントの検討 -生理反応を用いた客観評価-2022

    • 著者名/発表者名
      福田樹人, 有本泰子
    • 学会等名
      人工知能学会言語・音声理解と対話処理研究会(SIG-SLUD)
  • [学会発表] BiLSTM-CTC モデルを使用した自発的な笑い声と叫び声のEnd-to-End検出モデルの構築2022

    • 著者名/発表者名
      松田匠翔, 有本泰子
    • 学会等名
      日本音響学会2022年秋季研究発表会講演論文集
  • [学会発表] 感情知覚特性に基づいた自発的な叫び声の分類と音響的特徴量の関係2022

    • 著者名/発表者名
      大久保港, 井岸渉, 有本泰子
    • 学会等名
      日本音響学会2022年秋季研究発表会講演論文集
  • [学会発表] 自発対話音声に対する叫び声アノテーション2022

    • 著者名/発表者名
      白鳥恵大, 大久保港, 松田匠翔, 有本泰子
    • 学会等名
      言語資源ワークショップ2022
  • [学会発表] 様々な対話場面におけるspeech-laughの発生タイミングの分析2022

    • 著者名/発表者名
      有本泰子, 真弓花
    • 学会等名
      言語資源ワークショップ2022
  • [学会発表] 笑い声合成における音声記号表現と音響特徴量の感情次元による制御2022

    • 著者名/発表者名
      木村 駿野, 森 大毅
    • 学会等名
      日本音響学会2022年秋季研究発表会

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公開日: 2023-12-25  

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