研究課題/領域番号 |
22K18524
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大山 睦 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20598825)
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研究分担者 |
BRAGUINSKY SERGUEY 大阪大学, 社会経済研究所, 特任教授(常勤) (40868436)
今仁 裕輔 長崎大学, 経済学部, 助教 (00967383)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 産業経済学 / イノベーション / ビジネスダイナミズム |
研究実績の概要 |
アメリカのデータを用いた分析において、USPTO Patents View、S&P Compustat、 VentureXpertのデータを接合して利用している。テクノロジーの複雑性とテクノロジーの新規組み合わせについての指標を特許データから作成し、その指標の精緻化を進めた。主な分析結果は、以下の通りである。(1)先行研究結果とは異なり、知識の寡占化が進み、ビジネスダイナミズムが必ずしも減退してるわけではない。(2)2007年以降にテクノロジーの新規の組み合わせが増加した。(3)2007年以降にICT関連のテクノロジーと非ICT関連のテクノロジーの組み合わせが頻繁に起きた。(4)メガ企業が知識のスピルオーバーを妨げる要因ではない。(5)テクノロジーの新規の組み合わせは企業のパフォーマンスと正の相関関係にある。 上記の研究結果を学術論文としてまとめて、本研究の成果物とした。また、本研究の成果を発信するとともに、本研究の更なる進捗を図る為、アメリカの学会において研究報告も行った。 日本に関する分析では、Orbis データベースを用いた。テクノロジーの複雑性とテクノロジーの新規組み合わせについての指標を日本のデータを用いて再現し、テクノロジーの複雑性の経年変化を検証した。暫定的な結果であるが、アメリカのデータを使用した分析結果と似たようなパターンを示しており、近年、テクノロジーの新規の組み合わせが頻繁に行われるようになり、テクノロジーが複雑化していると推察できる。今後は、日本とアメリカの分析結果を踏まえて、共通点と相違点を整理し、テクノロジーの複雑性の本質に迫ることを試みる。また、政府統計である「工業統計調査」にある品目情報を利用して、企業の製品選択とテクノロジーの複雑性との関係も明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本のデータを利用する研究はデータベースの構築作業が計画よりも遅れており、そのことによって分析が遅れている。アメリカのデータを利用する研究は概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者はデータベースの構築を進めると同時に、データ分析を進める。特に、テクノロジーの複雑性とテクノロジーの新規組み合わせについての指標を用いて、日本においてテクノロジーの複雑性がどのように変化しているのか、その変化を担っているのはどのような企業であるかを明らかにする。また、アメリカのデータを用いた分析結果と比較して、共通点と相違点を明らかにし、得られた結果を体系的にまとめる作業も行う。研究成果をまとめて、論文を執筆する。 「工業統計調査」の品目情報と事業所情報のデータベースの作成し、そのデータと特許データを接合して分析を行えるようにする。この作業を迅速に進める為に、RAを複数人雇用する。データベースの作成後は、企業の製品戦略とテクノロジーの選択、特に、テクノロジーの新規組み合わせに関するデータ分析を行う。 アメリカのデータ分析は順調に進んでおり、研究成果物として学術論文を執筆している。国際学会などで研究報告を行い、研究成果を積極的に発信するとともに、研究についてのフィードバックを得て、追加のデータ分析や分析結果の精緻化を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
データベースの構築の進捗が遅れた為、RAを雇用して、予定していた作業をすることができなかった。2024年度は、RAを複数人雇用してその作業を迅速に進める。また、データベースの構築の遅れで分析の進捗も遅れた為、日本のデータを用いた研究に関する研究報告を行うことができなかった。2024年度は、日本のデータを用いた研究に関する研究結果の発信をする為に研究報告を行う。
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