研究課題/領域番号 |
22K18628
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡邉 巧 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (00780511)
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研究分担者 |
岡田 了祐 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (80757287)
村井 大介 静岡大学, 教育学部, 准教授 (80779645)
白井 克尚 愛知東邦大学, 教育学部, 准教授 (60643400)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 生活科教育 / 小学校 / 教科教育史 / オーラルヒストリー / 教師 / 学習指導要領 |
研究実績の概要 |
本研究では,小学校における生活科教育の成立・展開において,各地域でキーパーソンとされた教育関係者へのインタビューをおこない,新しい教科づくりをめぐる当事者の記憶をオーラルヒストリー(口述史)の手法から探り,平成期における学校教育の歴史を描き出すことを目的とする。研究成果を踏まえて,今後の学校教育や教科教育の再編・改革をしていく可能性を展望する。 上記の目的を達成するために,以下の研究をおこなった。2年次の令和5(2023)年度は,教育関係者へのインタビュー調査及び関連する文献調査をおこなった。また,1990年代から現在までの語りの意味や背景を分析するために,当時の社会状況や学習指導要領等の教育政策に関わる議論の把握をおこなった。具体的には,中央教育審議会及びワーキンググループ等の議事録を始めとした口述記録や文書を検討した。研究成果の一部は,国内学会で口頭発表及び論文投稿をおこなった。2023年度は、主にインタビュー記録の解釈及び比較,研究成果の報告(論文化)を進めた。 結果として,1990年代の教育関係者にみられる教科構築の事例とその特質が明らかになった。また,学会等において研究成果を報告することで,1990年代に小学校教師等として生活科の展開に従事した人々から情報提供を受けた。学習指導要領等に関わる議事録を検討することで,生活科をめぐる政策立案における教育関係者の動向を確認した。この他,広島県を中心にして,関係者への聞き取りや実践報告等を手がかりに,インタビュー調査を行う研究協力者の検討を進めた。この他,文献をもちいた歴史的な検討も併用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビュー記録の分析・解釈を進めることができた。研究参加者等の協力により,国内の情報収集を行うことができた。また,オーラルヒストリーの解釈のために,教育政策をめぐる議論の検討を行った。それゆえ,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はオンライン会議システム等も活用しながら,広島県及び富山県,静岡県,愛知県等の地域に注目し,インタビュー調査及び分析を進める。また,研究協力者による語りの意味や背景を解明するために,文献も併用して,生活科教育の教科構想の状況を明らかにしていく
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は国際学会等での成果報告は見送り,国内各地の情報収集やインタビュー記録の分析等をおこなった。そのため,旅費や交通費,その他を中心に次年度使用となった。2024年度はインタビュー調査や成果報告を実施するために,繰越をおこなった金額を使用の予定である。
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