研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では光導波路によりチップ上に集積可能な光磁気メモリの創製を目指して研究を行った。データ読み出し回路となるリング共振器の外周に、データ書き込み用の光導波路と記録層を配置した構造を考案し、シミュレーションによりその実現可能性を明らかにした。記録層1セルの素子を試作し、外部磁場を印加しながらリング共振器の光透過率を測定することで、記録層にメモリされた磁化情報を読み出し光の強度比として取り出せることを確認した。
光エレクトロニクス
光磁気記録を用いた光メモリはディスク型のストレージ(MOディスク)が存在するが、レンズ等の空間光学系を用いない集積可能な固定型の光磁気メモリとしては世界初の試みである。光信号を記録層の磁化として記録し、その磁化により発生した磁場で光読み出しを行う光メモリ動作を確認することに成功した。将来的な応用として、光通信のみでなく近年注目されている光コンピューティングにおいてデータを一時的に記憶する素子として応用が期待できる。