研究課題/領域番号 |
22K19395
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設) |
研究代表者 |
西田 基宏 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 教授 (90342641)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 臓器連関 / 心臓 / ミトコンドリア / 超硫黄化 / 恒常性維持 |
研究成果の概要 |
MetRSL274G発現マウスを用いた細胞種特異的タンパク質標識法を用いて多臓器・多細胞間コミュニケーションを解析する実験系を構築し、心臓病態モデルマウスにおいて心筋由来のミトコンドリア関連タンパク質が腎臓に輸送されることを見出した。ミトコンドリアの品質低下が心筋細胞からのミトコンドリア放出を促進するという過去の報告に基づいて、心筋ミトコンドリア品質の制御機構について解析を行い、超硫黄分子がミトコンドリア品質の保護に働くことを明らかにした。また、超硫黄分子によるミトコンドリア関連タンパク質の超硫黄化が心疾患モデルマウスの心臓で大きく変化することも明らかにした。
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自由記述の分野 |
生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内の臓器や組織は個々に機能するわけでなく、様々な臓器・組織との相互作用を介して生体の高次機能を維持している。心臓移植後の患者で報告されている「心臓の記憶」もまた臓器連関を示唆する例であるが、心臓が多臓器に与える情報については不明であった。病気の心臓がミトコンドリア関連タンパク質を腎臓などに輸送することを初めて明らかにした点は心臓原生の臓器連関の仕組みを読み解く糸口になるとともに、ミトコンドリアの品質維持を標的とする疾患診断マーカーや予防・治療法の開発につながる可能性が期待できる。
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