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2023 年度 実施状況報告書

重症心不全に潜む不整脈源性心筋症を診断するバイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K19526
研究機関大阪大学

研究代表者

坂田 泰史  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00397671)

研究分担者 辻川 和丈  大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (10207376)
肥後 修一朗  大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (00604034)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード不整脈原性心筋症 / バイオマーカー / iPS細胞
研究実績の概要

不整脈原性心筋症症例からiPS細胞を樹立し、ゲノム編集技術を用いて、発症原因であるPKP2遺伝子バリアントを精密に改変した細胞を作製した。iPS細胞を心筋に分化させ、構築した疾患モデルに対して、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いてPKP2遺伝子を導入し、モーションベクトル解析、ウェスタンブロットや免疫染色を用いたタンパク質発現解析とともに、2022年度までに同定したフェノタイプが改善されるかを検証した。更に、RNAシークエンス解析を実施するための条件検証として、iPS細胞由来分化心筋細胞を用いて、添加するAAV量や投与期間などの最適化を行った。デスモグレイン2欠損心筋症症例から樹立したiPS細胞、及びストップゲインバリアントをゲノム編集により修復したiPS細胞を樹立し、樹立したiPS細胞から分化させた心筋細胞から三次元組織化リングを作成するとともに、疾患モデルで再現された収縮力低下を回復させ得る薬物を見出した。このため、本薬剤及び疾患モデルを用いて、投与濃度や投与時間を最適化するための条件検証を実施した。これらモデル細胞により得られたデータを生体心臓組織で検証し、2022年度までに同定したフェノタイプが改善されるかを検証するとともにバイオマーカー探索につなげるため、ヒトで同定されたバリアントをノックインしたマウスモデル構築を開始した。重症心不全診療の現状、iPS細胞由来分化心筋細胞を用いたデスモゾーム心筋症疾患モデルについて、レビュー論文として報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度までに、予定していたプロテオミクス解析、メタボローム解析を実施したが、これらデータを検証するために予定していた遺伝子発現解析の条件検証、特にiPS細胞由来分化心筋細胞を用いた実験条件の最適化に時間を要している。一方、デスモグレイン2欠損心筋症解析において進捗が得られたため、ヒトで同定されたバリアントをノックインしたマウスモデル構築を開始している。

今後の研究の推進方策

構築した疾患モデルに対して、AAVを用いてPKP2遺伝子を導入し、2022年度までに同定したフェノタイプが改善されるかを検証するとともに、RNAシークエンス解析を実施する。デスモグレイン2欠損心筋症について、ヒトで同定されたバリアントをノックインしたマウスモデル構築し、心機能評価、病理組織評価を行うとともに、2022年度までに得られたマーカーに関するバリデーションを実施する。

次年度使用額が生じた理由

2023年度までに、予定していたプロテオミクス解析、メタボローム解析を実施したが、これらデータを検証するために予定していた遺伝子発現解析の条件検証に時間を要した。一方、デスモグレイン2欠損心筋症解析において進捗が得られたため、ヒトで同定されたバリアントをノックインしたマウスモデル構築しバイオマーカー探索につなげることとした。構築した疾患モデルに対して、AAVを用いてPKP2遺伝子を導入し、2022年度までに同定したフェノタイプが改善されるかを検証するとともに、RNAシークエンス解析を実施する。デスモグレイン2欠損心筋症について、ヒトで同定されたバリアントをノックインしたマウスモデル構築し、心機能評価、病理組織評価を行うとともに、2022年度までに得られたマーカーに関するバリデーションを実施する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Disease modeling of desmosome-related cardiomyopathy using induced pluripotent stem cell-derived cardiomyocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Higo Shuichiro
    • 雑誌名

      World Journal of Stem Cells

      巻: 15 ページ: 71~82

    • DOI

      10.4252/wjsc.v15.i3.71

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] SARS-CoV-2 spike receptor-binding domain is internalized and promotes protein ISGylation in human induced pluripotent stem cell-derived cardiomyocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Okuno Shota、Higo Shuichiro、Kondo Takumi、Shiba Mikio、Kameda Satoshi、Inoue Hiroyuki、Tabata Tomoka、Ogawa Shou、Morishita Yu、Sun Congcong、Ishino Saki、Honda Tomoyuki、Miyagawa Shigeru、Sakata Yasushi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 21397

    • DOI

      10.1038/s41598-023-48084-7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 左室収縮能低下を伴う重症心不全に移行しMYH7 R453バリアントが同定された肥大型心筋症の3症例2023

    • 著者名/発表者名
      内藤 進, 肥後 修一朗, 亀田 聡士, 小川 翔, 田端 智香, 赤澤 康裕, 中村 大輔, 中本 敬, 世良 英子, 藏本 勇希, 朝野 仁裕, 彦惣 俊 吾, 宮川 繁, 坂田 泰史
    • 学会等名
      第9回日本心筋症研究会
  • [学会発表] SARS-CoV-2 spike receptor-binding domain is internalized and promotes protein ISGylation in human induced pluripotent stem cell-derived cardiomyocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Shota Okuno, Shuichiro Higo, Satoshi Kameda, Tomoka Tabata, Shou Ogawa, Shigeru Miyagawa, Yasushi Sakata
    • 学会等名
      第27回日本心不全学会YIA基礎部門優秀賞
  • [学会発表] 個別化医療を目的とした難治性心筋症ヒト疾患モデル細胞の構築2023

    • 著者名/発表者名
      肥後修一朗
    • 学会等名
      第27回日本心不全学会シンポジウム 再生医療の進歩(疾患iPS を含む)
    • 招待講演
  • [学会発表] Elucidation of the pathological basis and therapeutic development for advanced heart failure using disease-specific iPS cell-derived cardiomyocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Shuichiro Higo
    • 学会等名
      Symposium, Genomic analysis and Genome editing, CVMW2023, The 7th JCS Council Forum on Basic Cardiovascular Research
    • 招待講演
  • [学会発表] Elucidation of the pathological basis and therapeutic development for advanced heart failure using disease-specific iPS cell-derived cardiomyocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Shuichiro Higo
    • 学会等名
      第97回 日本薬理学会年会 国際心臓研究学会 日本部会(ISHR)共催シンポジウム 「心不全研究の最前線から拓く治療戦略」
    • 招待講演
  • [図書] 非分裂心筋細胞のゲノム編集と難治性心筋症への治療介入2023

    • 著者名/発表者名
      肥後修一朗
    • 総ページ数
      605
    • 出版者
      技術情報協会 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物・有用物質生産への活用

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公開日: 2024-12-25  

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