今後の研究の推進方策 |
2023年度は、初年度に出願した特許についてPCT出願を行う。また、エンドヌクレアーゼによって細胞が生じるDNAの切れ目(ニック)を修復した際に蛍光物質が発現するベクターを作製し、これを培養ヒト血管平滑筋細胞に導入することによって、ストレス誘導性細胞老化を生じる原因となるDNA損傷修に対し、D-allose が修復能を示すことを証明することにより、D-allose による細胞老化抑制作用をin vitro で実証する予定とする。一方、初年度の2022年度から飼育した104週齢の老化したマウスの骨格筋を摘出し、重量の測定後、骨格筋組織評価、SA-βgalの測定、サイクリン依存性キナーゼ (p16INK4a, p21Waf/Cip1/SDI1) 発現、SASP因子(CXCR2, IL-6, GROα, VEGF, MMPs, PAI-1など)、それを制御する転写因子(C/EBPβ, NF-κB, BRD4)やエピジェネティックな変化(ヒストンH3のジメチル化)などを検証する予定とするが、初年度に若齢マウスしか購入できなかったことから、2023年度は初年度に引き続きマウスの飼育と観察の継続になる可能性が高い。
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