本研究の成果により、カニクイザルでは老化に伴い血漿中に存在する細胞外微小胞(EV)が増加することが判明した。また、血漿由来EVのプロテオーム解析によりApolipoprotein A-I(ApoA-I)の有意な上昇が確認された。 ヒトでは血中ApoA-Iの上昇と認知機能低下との相関が指摘されていることから、ApoA-Iは脂質代謝のみならず脳老化の新たな指標となる可能性が示唆された。一方、Pregnancy zone proteinといった性腺由来蛋白質の減少が確認されたことから、血漿由来EVは老化に伴う生殖機能の新たな評価系として利用できる可能性が示唆された。
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