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2022 年度 実施状況報告書

実世界志向認証技術の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 22K19782
研究機関早稲田大学

研究代表者

森 達哉  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60708551)

研究分担者 大木 哲史  静岡大学, 情報学部, 准教授 (80537407)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード認証 / 実世界 / 点群 / ユーザ
研究実績の概要

本研究課題は、個人認証技術を実現する新たな方式として、その人の周囲にある物理的な実体(空間に存在するモノやスペースなど)を基いる手法を提案するものである。周囲にある物理的な実体を計測する手法として、カメラで撮影した画像と、機械学習による物体識別を組み合わせた方式、およびLiDARセンサを用いた点群収集、磁気情報の収集などのアプローチがある。
研究代表者である森の成果は以下の通りである。2022年度は、実世界認証を行う上で必要となる基礎的な実験を行った。具体的には、LiDAR計測機能を搭載したシステム上で周囲の点群データを計測・収集するアプリケーションを開発した。開発したアプリケーションを用い、室内の複数地点で点群データを習得し、それらのデータのレジストレーションにより、合致度をスコアとして計算できること、ユーザが事前に点群データ登録した同一の地点で測定した点群データをもとに、認証が可能であることを明らかにした。2023年5月現在、論文投稿準備を進めている。関連する技術課題として、VR機器向けのカメラ画像を用いた認証技術の研究に着手した。この手法はAR向けにフロントカメラがついていることを前提に、その場でカメラが収集可能なデータをもとに個人認証を行うことを企図している。初年度は、その場のモノではなく、ユーザのハンドジェスチャを用いた認証技術を開発したが、次年度はその場にあるモノと組み合わせた認証技術の開発を行う計画である。
研究分担者である大木の実績は以下の通りである。2022年度は周辺環境の磁気を用いた位置フィンガープリント生成・識別方式の提案およびプロトタイプの実装を完了した。加速度センサを用いた複数人物ペア間での認証方式について方式の検討および基礎的な評価を完了した。また、人間による物理的な認証行為の発生を確認する検討を行い、成果を査読付き国際会議として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者の森は、Intel Realsense L515、および iPhone 13 Pro、iPad Pro を用いた実験により、実世界認証のコンセプトが実現可能であることを実証することが出来た。得られた結果を次年度に研究論文として発表する目処も立っている。また、VR機器に搭載されたカメラを用いた個人認証技術に関する検討も進み、国内研究会で成果を2件発表した。その他、関連する認証技術に関する研究成果を国内研究会で4件発表している。研究分担者の大木は実世界に関するデータとして、新たに周辺環境の磁気情報を用いたアプローチを考案し、フィンガープリントの生成、ならびに識別方式に関する基礎検討を進めた。また、人間による物理的な認証行為の発生を確認する検討を進め、国際会議論文を出版した。
以上より、基本コンセプトの検証、ならびに研究成果の論文出版、学会発表が進んでいることから、順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

2023年度は、 2022年度に得られた知見・成果を基に、実験研究をまとめ、論文投稿、学会発表を進める。また、計画時に目的とした視覚障害者や四肢障害者にも使いやすい個人認証技術として、認証技術のユーザビリティ評価も実施予定である。また、研究の過程で得られた一部のアプリケーションをオープンソースとして公開する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2022年度は当初計画した旅費、人件費の支出がなかったため、全体として残額が生じた。研究としては計画した進捗が生じたため、特に問題は生じなかった。2023年度は大学院生2名をRA雇用し、研究を加速させ、研究成果の論文投稿、学会発表を進める予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Multi-observed Multi-factor Authentication: A Multi-factor Authentication Using Single Credential2022

    • 著者名/発表者名
      Nozaki Shinnosuke、Serizawa Ayumi、Yoshihira Mizuho、Fujita Masahiro、Shibata Yoichi、Yamanaka Tadakazu、Matsuda Nori、Ohki Tetsushi、Nishigaki Masakatsu
    • 雑誌名

      Advances in Network-Based Information Systems. NBiS 2022. Lecture Notes in Networks and Systems, vol 526. Springer

      巻: - ページ: 201~211

    • DOI

      10.1007/978-3-031-14314-4_20

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] VRデバイス向けハンドジェスチャ認証システムの開発2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木芽依、飯島涼、野本一輝、森 達哉
    • 学会等名
      情報通信システムセキュリティ研究会(ICSS)2023年3月
  • [学会発表] 手首の表面筋電位を用いたスマートウォッチ向けジェスチャ認証方式2023

    • 著者名/発表者名
      渡部晃久、飯島涼、森達哉
    • 学会等名
      情報通信システムセキュリティ研究会(ICSS)2023年3月
  • [学会発表] リズム感の違いを利用した個人認証方式の開発と評価2023

    • 著者名/発表者名
      髙瀬由梨、野本一輝、飯島涼、森達哉
    • 学会等名
      セキュリティ心理学とトラスト研究会(IPSJ-SPT)2023年3月
  • [学会発表] ユーザの自然な動作を利用したヘッドマウントディスプレイユーザ認証方法の提案と評価2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木芽依、飯島涼、野本一輝、森 達哉
    • 学会等名
      コンピュータセキュリティシンポジウム2022論文集
  • [学会発表] リズムタップ: 視覚障害者と健常者のどちらにも使いやすい認証技術の提案と評価2022

    • 著者名/発表者名
      髙瀬由梨、野本一輝、飯島涼、森達哉
    • 学会等名
      コンピュータセキュリティシンポジウム2022論文集
  • [学会発表] 飯島涼、竹久達也、大木哲史、森達哉2022

    • 著者名/発表者名
      まばたきによって生じる電圧を用いた認証方式の提案
    • 学会等名
      コンピュータセキュリティシンポジウム2022論文集

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公開日: 2023-12-25  

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