研究課題/領域番号 |
22K20040
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
阪本 章子 関西大学, 外国語学部, 教授 (40964705)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 翻訳者 / 労働生活の質 / 尺度開発 / オンラインアンケート調査 / 因子分析 / 翻訳テクノロジー / T-WRQoL |
研究実績の概要 |
本研究は、翻訳業で生計を立てる労働者(翻訳者)の労働生活の質(Translator Work-Related Quality of Life:T-WRQoL)を、【第1フェーズ】2回のオンライン予備アンケート調査(Pilot 1 & Pilot 2)の結果に基づく測定尺度の作成、【第2フェーズ】その尺度をつかったオンライン本アンケートの実施・データ分析、の2つのフェーズを通じて測定することを目指す。 当該年度は以下のように第1フェーズを終了した。 [a] 予備調査Pilot1の実施 [b] データ分析(N=77) [c] 結果をもとに予備調査Pilot2の尺度を作成しドラフト質問票を作成 [d] Pilot2質問票 の精査・完成 [e] Pilot2の実施 [f]データ分析 (N=307) [a] Pilot 1 と [e] Pilot 2の実施は英国翻訳通訳者協会(ITI)の協力のもと英国の翻訳者を対象にオンラインで実施した。[b]と[f]のデータ分析は研究協力者3(英国)とオンラインで協働で行った。[d]の精査は研究協力者1(アイルランド)、研究協力者2(英国)と協働で行い、研究の精度を担保した。協働はオンラインで行ったほか、当該年4月に研究協力者1を関西大学の招へい研究者として招へいし、対面での協働を実現した。また当該年度9月に研究協力者2が別の研究プロジェクト参加のために東京出張した際に、東京での対面の協働を実現した。 加えて、1回の学会研究発表(国内)、3回の招待発表(うち2回は海外)を行い、研究実績を拡散した。また、当プロジェクトの導入的研究に関する国際共同論文が当該年度1月に、Pilot 1の結果を示した国際共同論文が当該年度2月に、いずれも国際査読付きジャーナルに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度に①アンケート実施協力団体ITIの要請でアンケートの実施時期を後ろにずらした ②データ収集の質を向上させるために当初1回の予定だった予備調査を2回 (Pilot 1 & 2)に分けて行った、の2つの理由から計画に遅れが出ていた。また当該年度も、Pilot 2の実施を実施協力団体ITIの要請で後ろにずらすこととなった。新計画はおおむね順調に進んだが、研究の精度を落とさないよう、当初2年の研究計画を3年に延ばし、遅れが出ていた活動・追加の活動を来年度に繰り越す。したがって、最終アンケートの作成・実施・分析・拡散は来年度に行うことになるため、「遅れている」に該当すると判断したが、研究期間を延長したため、新しい計画通りに来年度に研究を終了する予定。
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今後の研究の推進方策 |
当初2年目に予定していたフェーズ2の研究活動を、3年目に行う。データ収集が予定通り実行できるよう、アンケート実施協力団体と調整を進めている。具体的には以下のステップを取る。 ①最終アンケート ドラフト質問票の作成 ②最終アンケート 質問票の精査・完成 ③最終アンケートの実施・データ収集 ④データ分析 ⑤研究成果の拡散
④は研究協力者3(英国)と協働で、②は研究研究者1(アイルランド)および研究協力者2(英国)と協働で行う。⑤では、海外での学会発表(英国)を9月に行うことが決定している(アブストラクト採択済み)。
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次年度使用額が生じた理由 |
パイロット調査を1回から2回に増やしたため、3回目の本アンケート調査が3年目に繰り越しになった。よって、これにかかる研究活動を3年目に行うために次年度使用額を執行する。具体的には ①研究協力者2,3(英国)との対面での打ち合わせとデータ分析作業。②本調査の研究成果の拡散(英国での国際学会での発表)。
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