本研究では、新型コロナウィルス感染拡大が外食企業のサプライチェーンにおいて企業群の経営状況に与える経済的影響を定量的に分析した。企業別の与信データおよび取引データを利用し、緊急事態宣言があった2020年から2022年決算期において、レストランやバー等を主業とする企業と直接あるいは他の企業を介して間接に取引のある企業群を抽出した上で、直接取引のある企業における売上の回復率が、同地域・同産業の制御群と比べて10%ポイント程度高いことを明らかにした。また、緊急事態宣言があった地域の企業では0.04%ポイント低く、その中でも直接取引のある企業では制御群と比べて3.5%ポイント低いことが明らかとなった。
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