研究課題/領域番号 |
22K20189
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤本 啓寛 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教 (00962086)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | スクールソーシャルワーカー / 労働移動 / 職能成長 |
研究実績の概要 |
初年次となる2022年度は、労働移動と職能成長に関わる文献の整理を行ったうえで、複線径路・等至性アプローチについて述べられているテキスト、複線径路・等至性アプローチを用いた論文の精読を通じて、インタビューの方法や分析図の描き方といった研究手法についての理解を深めた。それをふまえ、早稲田大学「人を対象とする研究に関する倫理審査委員会」に研究計画を申請し、承認を受けた(2022-333)。その後、スクールソーシャルワーカー1名に対してインタビュー調査を3回実施した。インタビュー調査は、調査協力者と聞き取り内容に対する確認を行いながら慎重に進めた。具体的には、インタビュー1回目はスクールソーシャルワーカーに入職し、転職に至るまでの経緯を聞き取った。インタビュー2回目は、1回目の聞き取り内容をふまえて分析図を作成し、その分析図をもとにさらに入職・転職の過程を深掘りした。インタビュー3回目は深掘りした内容を分析図に反映させたうえで、分析図の修正を行った。1名という調査協力者の人数は、当初の研究計画よりは少なくはあるが、そうすることで2023年度に実施する予定であった2回目・3回目以降の調査を先行して実施することに成功した。この変更は、分析図をひとまず描き切り、研究成果に対するフィードバックを研究期間の中間で得ることで、研究をさらに発展させていく機会を得ることにつながった。2023年度には、2022年度に得られた分析図を学会や論文等で発表していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内の事情による担当科目の増加等が原因で、スクールソーシャルワーカー1名についてのインタビュー結果を踏まえた更なる調査協力者の依頼まで至ることができなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
調査協力者を増やしていくことは、スクールソーシャルワーカーの入職・異動・転職・離職といった労働移動の過程の類型化につながる。2023年度は、更なる調査協力者の依頼に速やかに取り組むとともに、論文投稿等の研究成果の発表を積極的に行っていくことを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度中に行うインタビュー調査への協力者の人数が減ったことで、2022年度の使用実績額も減少した。2023年度は2022年度中にできなかった調査協力者についてインタビュー調査を実施することを、2023年度の当初の研究計画に追加で盛り込んで使用する予定である。
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