研究課題
5カ国での教員養成課程の学生を対象とする共同研究の結果、日本での傾向として、グループ単位での一斉教育の中で才能児の特別扱いを避けることが分かった。平等主義への執着がある国ほどこのような傾向が出る。(Lassila et al. 2023)現役の教員の傾向としては、日本人とオースリア人が似ているの思考的傾向が明らかになり、才能児のニーズに気付いても、特別扱いを避けることが多い。教員が勤めている社会文化的に環境と考え方の関連についても理解が増加した。(ECER2023国際学会発表)現役の義務教育・高校の教員を対象とするインタビュー調査は、参加募集が順調に進んでいなかったが、6名のデータに基づいて、令和6年度の教師教育学会で結果を発表する予定です。教師の考えを探ってみると、才能伸長に対する態度は概ね肯定的であり、基礎能力、個別のニーズへの高い意識や才能教育の基礎知識さえ見つければ、日本でも才能児に有効な指導が実施可能だと考えられる。伝統文化・伝統工芸に関わる指導者・関係者へのインタビュー調査は現在実行中である。仮説としては、伝統文化に関わる活動での学び方・アプローチは才能伸長として認められ、育てるべき資質能力にも繋がるが、学校教育への転用は難しいと考えられる。結果は、後ほど国際学術雑誌に投稿する予定。2度の海外視察に基づき、オーストリア・オランダ・フィンランドの才能教育に関する資質能力とそれを身につけるための育成のやり方を詳らかにした。専門教員の特徴とは、才能教育に特有の知識・技術ではなく、基礎指導力・生徒理解・信頼関係を気付けることなどいった優れた教育者の能力である。才能児と彼らのニーズの答えることの必要性をいかに感じるかということも重要である。一般人向けの研究会・講演会を3回開催した。本調査の続きとして、3年間の研修プログラムを実施するための予算を申請し、確保している。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
日本科学教育学会年会論文集
巻: 47 ページ: 635~638
10.14935/jssep.47.0_635
Gifted Child Quarterly
巻: 67 ページ: 306~324
10.1177/00169862231183652