研究課題/領域番号 |
22K20278
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡村 美由規 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (50467784)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | セルフスタディ / 物語論(ナラティブ) / 省察、反省、リフレクション / アクションリサーチ / 現職教員にとっての研究 / 情動、感情 / 校内研修 |
研究成果の概要 |
日々の教職生活の中で自らの意図や行動を振り返るだけでなく、その意図や結果をあえて経験として意図して言語化し、他者に開示し他者の反応を受けながら自らの物語として記述する行為(物語としてのセルフスタディ)は、実践に関するメタ知識すなわち自己の実践を見通す知識を生成することがわかった。 また生成されたメタ知識だけでなく、メタ知識を生成した経験が、教職実践における言動に根拠をもたらし、その結果実践に自信をもたらすことも明らかになった。 他者への助言の際にも、内容的限界に基づいて行えるようになることも指摘された。自分の体験を他者に開示し語ること(語り)は自分自身を癒し、これが職能成長を促すことも示された。
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自由記述の分野 |
教育学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日の日本での現職教員研修は行政研修を核としつつ、校内研修で行政研修で提供される内容の普及と定着を図るものと、日本の学校教育で伝統的に継承されてきた授業研究の2種類に大別されるなか、本研究は学校教員の日常的な職務生活のなかでの違和感にあえて向き合い物語ることも、職能開発のための方途になることを示した。物語という主観や感情を他者に開示する行為は、教職に携わる職業人としての自己成長あるいは成熟を自覚し、その自覚が職業実践へ正の効果をもたらすことを本研究は示した。これは職能開発という用語や現職教員研修が、教員に課せられる業務内容に直接的に関連する事項に制限されるという前提を見直す根拠となる。
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