本研究の目的は「人工知能に仕事を奪われたとき,人は奪われた原因を何だと考えるのか」を検討した。この目的のために,Web上で複数の実験を行った。実験では投資ゲームや最後通牒ゲームという課題が用いられた。実験の中で,実験参加者が人工知能に仕事を奪われるというシチュエーションを作った。参加者は仕事を奪われた原因として,1)自身の能力,2)自身の努力,3)相手の能力,4)運の4つにどれくらい帰属するのかを評定した。分析の結果,奪われた原因として自身の能力や人工知能の能力に強く帰属していた。一方,努力や運はあまり帰属されていなかった。この帰属パターンは人間相手に仕事を奪われたときにも見られた。
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