研究成果の概要 |
グラフの連結度や染色数などの大域的なパラメータがグラフの部分構造に与える直接的な影響を探るため, 点素パス問題の既知の結果を拡張したグラフ構造定理の構築, その定理の彩色予想の部分問題への適用, 及び, 予想の解決に向けた新たな方向性の提案に関する研究を行なった. 並行して, 二部グラフの完全マッチングに対する既知の代数的アルゴリズムの理解の深化, 及び, 束論における部分束と極大鎖グラフの凸性に対する古典的定理の拡張に関する研究を行なった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グラフ彩色問題とは与えられたグラフの頂点をできるだけ少ない数の色で塗り分ける問題であり, 効率的な解法がないだろうと信じられている難しい問題である. 平面描画できるグラフが4色で塗り分けられることを主張する四色定理のように, グラフの構造と彩色理論の間には関係があることが知られているが, それについて問いかけた彩色予想は現在も多くのものが未解決である. 本成果は, その位相・構造的なグラフ理論と彩色問題の計算困難性の理論の両分野が交差する領域を探るものとして位置づけられる.
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