本研究では超伝導限流器の実現に向け超伝導線材に利用するポーラス安定化材の構造を検討した.まずポーラス安定化材内に保持される冷却液の沸騰モデルを提案した.その結果,本モデルと実験の冷却性能の相対誤差は10%程度であり,液体保持がポーラス安定化材の重要な役割であることを示した. また,3次元の電気・熱連成解析により常伝導領域の伝播挙動を評価し,ホットスポット抑制に効果的なポーラス安定化材の構造を抽出した.その後,解析結果を基にポーラス体を選定し実験的にホットスポット抑制効果を評価した.その結果,ポーラス安定化材により瞬時に常伝導領域が拡大しホットスポットの発生を抑制可能であることを実証した.
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