アラキドン酸由来の生理活性脂質は、炎症や組織の恒常性維持に重要な役割を果たすが、既知の生理活性脂質だけで全ての生体応答を説明することができない。生体には未だ同定されていない生理活性脂質が存在すると予想し、本研究を行った結果、成熟顆粒球において3つの脂質酸化酵素の協調的作用により新規生理活性脂質である5-OH-thromboxane B2が生合成されることを明らかにした。今後、5-OH-thromboxane B2の生理活性解明を行うことは、生体の恒常性維持機構の理解を深める学術的意義があり、さらにこれらを通して得られた知見は疾病の予防や治療法の開発等、社会へ還元されることが期待される。
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