薬剤耐性菌の蔓延が世界的に問題となっており、薬剤耐性菌にも有効な新規抗菌薬の開発が強く求められている。本研究では、先行研究で確立した誘導体合成を簡便化する天然物誘導体ライブラリー合成法を用いて、MraY阻害天然物ムレイドマイシンおよびカプラマイシンよりも抗菌活性が向上する新規誘導体を得ることを目的とした。約300種の誘導体のMraY阻害活性および抗菌活性を評価した結果、天然物よりもMraY阻害活性が強い誘導体、ならびに天然物とは異なる細菌種に抗菌活性を示す誘導体が得られた。また、より抗菌活性が向上した誘導体を得るため、ライブラリー合成の基となるフラグメントの拡充も行った。
|