研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、抗がん剤治療が血管内皮細胞(EC)のpoly ADP-ribose polymerase (PARP)活性化を介して将来の血行性がん転移を促進させる機序を解明し、現在臨床で使用され始めているPARP阻害薬の血行性がん転移予防への適応拡大を目指すことを目的とした。研究代表者は、ECのPARP活性化を引き起こすシスプラチンの反復投与はその後のメラノーマ肺転移を促進させ、PARP阻害剤Olaparib投与によりそれが抑制されることを動物実験により明らかにした。
循環薬理学
本研究により、抗がん剤によるEC由来PARP活性化を介した血行性がん転移促進機序が解明されることにより、(1)すでに臨床で使用されているPARP阻害薬の血行性がん転移予防への適応拡大の可能性、(2)将来の血行性がん転移制御も考慮した効率的がん治療戦略の開発、に向けて一石を投じることが可能となる。