間質細胞領域の占める割合の多い膵臓がんは、特に難治性である事が指摘されており、間質細胞を標的とした次世代型治療法の確立が望まれている。本研究成果から創出する新たな製剤S100A11中和抗体は将来的に治療困難とされる膵臓がんの革新的医薬品の創出にもつながる大きな展望がある。S100A11の関わる疾患は、がん細胞の増殖・転移のみならず、炎症の関わる種々臓器線維症、神経変性疾患、2型糖尿病性、自己免疫疾患など、広範にわたる。本研究により創出する製剤は、これら広範な疾患における病態発症と憎悪に対する共通の対策を提供することになり、その意義は極めて大きいものと考えている。
|