研究課題
in vitroでマウスのマクロファージ細胞株を用いてLPS刺激への反応をみる実験系でヒノキチオールの投与量を調整している状況である。しかし、通常培地での条件下ではなかなか対照群と比較して再現性のある有意な差が認められず、実験系の工夫を行ってきました。生理的な条件下では細胞内鉄は過不足のない一定の範囲に維持されているため、ヒノキチオールを用いても鉄の移行がそれほど引き起こされないため、有意差が出ないと推測されました。これに対して、慢性炎症下の条件を再現するために、ヒノキチオールを投与する前にヘプシジンを培地に加えてpre-treatmentして細胞内鉄を増やす工程を挟む必要があると考え、ヘプシジンの濃度を振りながら細胞内鉄が一定量を超える条件を模索しました。細胞内鉄が有意に異なる条件下で、LPS刺激±ヒノキチオール投与を行い、炎症性サイトカインの産生量に有意差がみられるかを検討することお予定しておりましたが、まだここまで到達出来ておりません。マウスのマクロファージ細胞株でpre-treatmentなどの条件を確立できれば、ヒトの末梢血単核球を用いて同様の実験を行い、マウスだけでなくヒトにおいてもヒノキチオールが抗炎症作用を発揮することを確認する実験系も考慮しております。その後、IBDモデルマウスを用いたin vivoの実験系、共同研究予定である神戸大学でのヒト腸内細菌叢モデルを用いた実験系においてもヒノキチオールの有用性を検証していく予定である。
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British Journal of Cancer
巻: Online ahead of print. ページ: 未掲載
10.1038/s41416-024-02647-1
Inflammatory Bowel Diseases
10.1093/ibd/izad259