研究課題/領域番号 |
22K20914
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中村 俊文 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10594583)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | 糖尿病性腎症 / ミネラルコルチコイド受容体 |
研究実績の概要 |
これまでもAngiotensin 2 receptor blocker (ARB)及びSodium glucose cotransporter 2 (SGLT2)阻害薬による糖尿病性腎症への腎保護効果が大規模臨床研究で示され、同分子に着目した病態解析・研究がなされてきたが、特異的に有効な糖尿病性腎症治療薬の開発には至っていない。このような中で、糖尿病性腎症の新たな切り口による病態解析が求められている。そして近年報告された大規模臨床研究FIDELIO-DKDにより、糖尿病性腎症に対するMR拮抗薬の腎予後改善効果が示された。本報告は糖尿病性腎症におけるMR活性化の重要性を強くするものである。MRは腎尿細管細胞・腸上皮細胞に発現し、同部でのNa吸収・K排泄を調節することで生体における体液量・血圧の恒常性に重要な役割を果たすリガンド依存性転写因子であるが、これまでも非上皮性組織におけるMRが様々な病態で臓器障害に寄与することが示されており、今回の研究においては、糖尿病性腎症の腎糸球体傷害のメカニズムをMR活性化を観点として解析する計画である。 まず第一に、糖尿病モデルとしてストレプトゾトシン投与マウスを用いて、経時的な尿蛋白の増悪とMR拮抗薬(エプレレノン)投与による改善を確認した。エプレレノン投与により血圧の有意な低下は見られず、本改善効果は血圧非依存性であることを確認した。資材確保や条件検討に時間を要しているが、遺伝子発現および組織学的解析、さらには網羅的な細胞特異的RNA解析を順次進める方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度まで所属していた研究室で使用していた技術を用いた解析を進める予定であるが、同一資材の確保と環境整備に想定より時間を要している。また、シングルセルRNA解析を堅実に遂行するべく条件検討を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究資材の確保と条件検討を進めており、計画していた糖尿病モデルのPCRや組織染色を用いた腎障害解析と、網羅的な細胞特異的RNA解析を行う。それらの解析結果に基づき、分子生物学解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
資材調達および条件検討により研究計画が遅れているため、計画していた時期に支出が発生しなかったことによる。各種条件が整いつつあり、今後、計画していた内容を推進する予定である。
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