研究課題/領域番号 |
22K21198
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
加治木 政伸 筑波大学, 体育系, 研究員 (50963641)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | TRPチャネル / TRPV3チャネル / 皮膚血管拡張 / 発汗 / 熱放散反応 / 皮内透析法 / マイクロダイアリシス |
研究実績の概要 |
本年度は、TRPV3チャネルのアゴニスト・アンタゴニストの選定・濃度決定に関する実験を主に実施した。当初アゴニストの候補に挙げていた2-APBを皮内マイクロダイアリシス法を用いて皮下に投与したものの皮膚血管拡張は起こらなかった。そのため、違うアゴニストを選定する必要が生じた。先行研究を参考にいくつかのアゴニスト候補を用いた実験を行った結果、カルバクロール(オレガノの成分)を皮膚に塗布することで皮膚血管拡張が起こることを確認した。ヒトの皮膚にカルバクロールを塗布することでTRPV3チャネル由来の痒みを誘発することは既に分かっていた。また、マウスにカルバクロールを投与することでTRPV3チャネル由来の血管拡張が起こることも先行研究で明らかとされていたものの、ヒトの皮膚血管拡張へのTRPV3チャネルの関与は不明であった。本研究において、ヒトのTRPV3チャネルの活性化によって皮膚血管拡張が起こる可能性を初めて示すことができた。 また、カルバクロールを皮膚に塗布することによって皮膚血管拡張が起こるメカニズムを同時に調査し、一酸化窒素合成酵素、シクロオキシゲナーゼ、カリウムチャネルが関与していることを示唆した。この実験に関連する研究を2022年度の日本体力医学会大会で発表した(ポスター発表)。その後、TRPV3チャネルアンタゴニストの選定と濃度決定を進め、アンタゴニストであるTRPV3 74aを投与しながらカルバクロールを塗布することで、カルバクロール塗布による皮膚血管拡張が抑制されるかを検討している(現在進行中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初候補に挙げていたTRPV3チャネルアゴニストでは皮膚血管拡張が起こらなかったため、当初の計画を変更した部分はあるものの、違うアゴニストを用いることで本研究を進展させることができた。関連の実験も予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現在進行中のTRPV3チャネルアンタゴニストの選定・最適濃度の決定のための実験を完了させる。その後、そのアンタゴニストを用いて、暑熱下運動の皮膚血管拡張や発汗にTRPV3チャネルの活性化が関与しているかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初使用する予定だったTRPV3チャネルのアゴニストでは、皮膚血管拡張が起こらず、違うアゴニストを選定する必要が生じたために、実験の進行状況が少し遅れた。そのため、当該年度の後半に実施する予定だった実験を次年度の前半に実施することになり、次年度使用額が生じた。
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