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2022 年度 実績報告書

京都学派による現象学拡張の解明──社会存在論の観点から

研究課題

研究課題/領域番号 22J00292
配分区分補助金
研究機関北海道大学
特別研究員 浦井 聡  北海道大学, 文学研究院, 特別研究員(PD) (50844370)
研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2025-03-31
キーワード田辺元 / 京都学派 / 即
研究実績の概要

2022年度は西田幾多郎の認識論および初期田辺の認識論を扱い、その哲学的・哲学史的意義とフッサールとの関係を解明した。
(1)1920年代の西田・田辺の認識論を扱い、両者のフッサール現象学の受容と改鋳を解明した。本研究では、西田の『自覚における直観と反省』(1917年)から『一般者の自覚的体系』(1929年)、田辺の「普遍について」(1917年)から「明証の所在」(1928年)の現象学的認識論を解明した。また、これらの初期認識論を正確に理解するために、西田・田辺の著作全体の通読を行なった。その過程で、研究代表者のこれまでの研究内容との接続によって以下の二つの成果を得ることが出来た。
(1-A)西田・田辺は1930年から道徳と宗教の関係について激しい論争を行なっているが、本研究はその対立構造がすでに初期から1920年代の思索にあることを発見した。この構造を精緻に解明して、日本哲学に関する研究会で発表を行なった。
(1-B)西田・田辺の鍵概念である「即」について、両者が明確に異なる定義を行なっていることを見出した。この点について解明して、Asian Philosophical Textsの学会大会(於イギリス・エディンバラ大学)にて発表する予定であったが、研究代表者が渡航直前にコロナウィルスに感染したために2022年度内の発表を延期した。この発表内容は同学会の2023年度の大会(於神田外国語大学)で発表した。
(2)上記(1)で解明した西田・田辺の認識論における〈主観性の超克〉の哲学的・哲学史的意義を解明した。特に初期の西田・田辺が言及するカント・リッケルト・フッサールのテキストを読解し、両者の認識論と突き合わせた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度に行うべき作業はほぼ終えることができた。特に西田と田辺の初期認識論のテキストを丹念に読み解くことを通して、本研究の掲げる「京都学派による現象学拡張の解明」の土台を固めることができた。

今後の研究の推進方策

次年度以降も本年度と同じく計画に沿って研究を進めることによって当初の目標を達成することができると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Tanabe Hajime’s “Soku” (即)2023

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Urai
    • 学会等名
      5th Asian Philosophical Texts Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 倫理と宗教─ 西田幾多郎と田辺元の分岐点─2022

    • 著者名/発表者名
      浦井 聡
    • 学会等名
      第2回 日本哲学コンソーシアム

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公開日: 2024-12-25  

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