研究課題/領域番号 |
22KJ0039
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浦井 聡 北海道大学, 文学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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キーワード | 京都学派 / 社会存在論 / 田辺元 / エナクティヴィズム / 現象学 |
研究実績の概要 |
本年度の成果は、(1)コペンハーゲン大学主観性研究センターでの半年間の在外研究、(2)単著の出版、(3)学会発表の3点に分けられる。 (1) Dan Zahaviが主宰するコペンハーゲン大学主観性研究センターは、現象学の社会存在論の研究の最先端として知られており、常時客員研究員を含めて20人ほどの研究者が所属している。ここで9月から3月まで半年間を行うことを通して、現象学研究の社会存在論の最先端の議論に触れてその状況や京都学派の社会存在論との距離を知ることができた。 (2) 京都大学文学研究科の出版助成に採択され、博士課程進学時から本年度までの研究成果をまとめた単著『田辺元:社会的現実と救済の哲学』を出版することができた。本書は、京都学派の第二の人物と知られているがまだ十分な研究がない田辺元(1885-1962)の思想の全体を「倫理と宗教」「社会存在論」というふたつの切り口から読み解くことで、多岐に渡る田辺哲学が実際にはその根幹に一貫した主題を持つ哲学であったことを示した研究である。 (3) 本年度の学会発表はすべてが英語になった。まず、田辺哲学における「即」の翻訳をめぐる問題を英語発表を7月にAsian Philosophical Textsで行った。8月と9月には最も大きい日本哲学の国際学会International Association for Japanese PhilosophyとEuropean Network of Japanese Philosophyで、それぞれエナクティヴィズムと現象学と田辺哲学とを結びつける発表を行った。また、3月下旬にはストラスブール大学に招待され、コペンハーゲン大学での在外研究成果をまとめた発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に行うべき作業はほぼ終えることができた。コペンハーゲン大学主観性研究センターでの半年間の在外研究によって現象学の社会存在論の研究状況について知ることができただけでなく、ヨーロッパ屈指の哲学研究所での研究交流によって予想以上の収穫があった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度と同様に、各年度に配当してある文献の読解を進めていくことによって本研究の目的を達成できると考えている。また、テキスト読解の成果は適宜日本哲学の国際学会および各雑誌において公表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
在外研究から一度日本に戻るかもしれなかったために予算の前倒し申請をしたが、戻らずにコペンハーゲン大学からタリン大学に移って在外研究を続けることになったため。前倒し申請の残額は、2024年度後期の在外研究の滞在費として使用する。
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