研究課題/領域番号 |
22KK0031
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中矢 礼美 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 教授 (70335694)
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研究分担者 |
藤原 章正 広島大学, IDEC国際連携機構:PHIS, 教授 (50181409)
VARGHESE VARUN 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 助教 (40834718)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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キーワード | カリキュラム開発 / カリキュラム検証 / グローバル・テクノロジカル・シティズンシップ / 弁証法的リスクコミュニケーション / 自動運転技術 / 科学技術の両義性 / 功利主義 / マキシミン原理 |
研究実績の概要 |
22年度は、グローバル・テクノロジカル・シティズンシップ(GTC)教育として既に広島大学において開発している日本版GTC教育カリキュラムの継続実践・検証・改善を実施した。並行して、それをグローバル課題に対応する教育として世界中で展開できるカリキュラムとするために、インフラ・社会文化・教育が大きく異なるインドネシア、ベトナムの海外共同研究者の大学を訪れてGTC教育カリキュラムの開発を行った。各国の大学では、大学生のテクノロジカル・シティズンシップの事前調査を行い、また当該国での技術開発と実装に関する教育内容の分析、自動運転技術の開発レベル、実装に関する社会的議論の状況、実装の在り方に大きな影響を与えるインフラ状況と社会文化的状況を把握して、海外研究者とグローバル版GTC教育カリキュラムを開発(第1版)した。 日本の大学については23年1月・2月に、グローバル・テクノロジカル・シティズンシップ(GTC)のカリキュラムを実施し(40名)、テスト、レポートおよびインタビューにてその効果を検証した。ベトナムの日本・ベトナム大学では、大学約50人に対してGTCの事前テストを実施して、現状の知識・価値観・態度の状況を把握した(22年12月、オンライン)。 インドネシア・ガジャマダ大学では、大学生約50名にGTCの事前テストを実施して現状の知識・価値観・態度の状況を把握した(23年2月、対面)。それを元に翌年度の実施に向けてガジャマダ大学の研究協力者およびTA予定学生らと議論を行い、カリキュラムの加筆修正を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績に記入したように、計画していた国、日本、インドネシア、ベトナムについては計画通りに調査が進んだ。ただし、アメリカについては22年度内にカリキュラム開発において重要な基本的情報となるコンピテンシーの事前テストを計画通りに行うことができたものの、人数が少なく不十分なデータとなった。また調査日程の調整が難航して、年度内にはアメリカ・テキサス大学での調査が行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
23年度は、上述したように4月上旬にアメリカ・テキサス大学にて大学院生らおよび研究協力者とカリキュラム改善についての議論を行い、現在改訂中である。6月に再度、議論を行い、23年度中にテキサス大学で一定数の学生が参加できる授業開設について議論を継続する。インドネシアでは、5月下旬に集中講義としてGTC教育・検証を行い、日本では6,7月月に同様にGTC教育・検証を行う。 ベトナムとアメリカでの実践・検証は未定であるが、秋から冬にかけて実施する予定である。特に、アメリカについては予定していたコースでの実施が難しくなったため、これから再調整をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
22年度2月にアメリカ・テキサス大学にて事前テスト実施と議論を行うために渡航する予定であったが、日程調整ができず、現地調査が実行できなかったため、次年度使用額が生じた。23年度には、22年度に予定していたアメリカ・テキサス大学での調査(大学教員および大学院生とのGTCカリキュラムの改善に向けた議論)を行い、予定して通りの予算(旅費・謝金)を執行する。
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