研究課題/領域番号 |
23223002
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 徹 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (90263194)
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研究分担者 |
前田 忠彦 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
轟 亮 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20281769)
浜田 宏 東北大学, 文学研究科, 准教授 (40388723)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 階層意識 / 格差社会 / 社会調査 / 実験シミュレーション / 時点間比較 |
研究実績の概要 |
この年度は、前年度までに準備設計されてきた、大規模訪問面接調査を実施する計画年であった。この研究においては、これまでに前例のないタブレットPCを用いた個別面接CAPI調査を実施することとして、その技法を開発し実際に大規模調査に導入するための課題を検証した。これらは、大阪大学の研究拠点で研究分担者、連携研究者、研究協力者からなる研究者グループを統括しつつ行われた。 実際の調査は2015年第1回SSP調査と名づけられた個別訪問面接法の調査である。その設計は20年前の1995年SSM調査B票調査との比較となっている。具体的には、全国450地点9000サンプルの調査を2期間2ヶ月中に完了することとして、実査期間を2015年2月~3月に設定した。この大規模調査にあわせて、タブレットPCを確保した。これは大阪大学の備品として別予算で購入したものと、本研究において購入したものを併せて用いることとした。 調査実施に当たっては、調査実施機関との連携のもと、アンドロイド4.2のアプリケーションの開発を行い、調査の実施の具体的な場面での動作を入念に確認した。それと並行して調査項目を厳選した。 平成26年10月には実査の設計をして調査委託先を決定し、12月に選挙人名簿からランダムサンプリングで対象者を抽出した。この間、方法と質問項目検討とデータ分析についての研究会を実施している。 平成27年2月から3月にかけては全国で個別訪問面接調査を実施した。その際450地点のうちの33地点については、連携研究者、研究協力者などから調査員を募り、研究者グループによる訪問地点とした。 研究成果の報告については、研究代表である吉川徹が本研究で得たデータを用いて専門書(単著)を上梓したほか、平成27年3月には、連携研究者の数土直紀編で、研究メンバー13名の執筆による報告書籍(共著)も刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年1月~2月に実施を予定していた全国訪問面接調査のデータが、本報告書作成時点(平成27年4月末)において一部揃っていない。この前年度末の研究計画の想定外の遅延のため、この先においてデータ分析の着手にも遅れが生じることが予想される。 この遅れの理由は、平成26年12月に急に総選挙が実施されたため、対象者の選挙人名簿からの抽出が予定通り進行しなかったことと、その影響で訪問調査が年度末にかかり、対象者の協力が得られにくくなったことである。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画最終年度にあたる平成27年には、本研究の本体調査である2015年第1回SSP調査のデータを急ぎ整理、コーディングする。この2015年第1回SSP調査データを速やかにメンバーに配布し、ただちに解析に入る。分析結果は記者発表度などを行いつつ、学会報告、論文投稿を行う。平成27年度は研究計画最終年度に当たるため、年度内に総合的な研究成果のとりまとめを行うことをめざす。
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