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2011 年度 実績報告書

詳細DEM画像による日本列島周辺海域の変動地形学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23240121
研究種目

基盤研究(A)

研究機関広島大学

研究代表者

中田 高  広島大学, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (60089779)

研究分担者 渡辺 満久  東洋大学, 社会学部, 教授 (30222409)
鈴木 康弘  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70222065)
後藤 秀昭  広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (40323183)
徳山 英一  東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10107451)
隈元 崇  岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (60285096)
キーワード活断層 / 海底活断層 / 日本海溝 / 巨大地震 / プレート境界型地震 / 2011年東北地方太平洋沖地震
研究概要

日本列島周辺海域で発生する大地震の震源となる活断層の分布とその特徴を解明するために,海上保安庁およびJAMSTECが取得した原データから新たに作成した90~150mグリッドのDEMをもとに立体視用画像を作成し,陸上の地形判読と同様な手法で1)海底活断層の正確な位置・形状,2)海底活断層と過去の大地震・津波との関連,3)海底地すべりや大規模崩壊の分布を検討した.本年度は,東北日本の太平洋沖海域を研究対象として調査研究を実施した.
日本海溝周辺には,東からアウターライズの正断層,海溝陸側斜面下部の逆断層,海溝陸側斜面のリニアメントがほぼ海溝軸に平行する走向で発達する.アウターライズの正断層は西落ちと東落ちのものがあり,その間には狭長な凹地を形成されている.長さ数10km断層が殆どであり100kmを超える長大なものは限られている.海溝陸側斜面下部の逆断層には三陸北部から中部にかけて発達する長さ200k程度の長大な活断層と三陸中部沖から茨城県沖にかけて発達する長さ400km以上の長大な逆断層が発達する.一方,斜面基部の海溝軸には顕著な逆断層は認められない.長大な逆断層の上盤側の高まりの範囲には,短い正断層状のリニアメントが群をなして認められる.活断層分布の特徴から,日本海溝沿いでは三陸沖のM8クラスの地震を除けば,海溝沿いでまれに発生するM9に達する地震と,陸に近い海域で比較的頻繁にM7クラスの地震が発生するのが特徴である.これは,南海トラフ沿いで100年から数100年間隔で発生するM8クラスの地震が発生するのとは大きく異なっている.プレート境界型地震予測では,破壊領域区分をもとに連動型地震などの議論が行われているが,現実的な地震予測のためには海底活断層の情報を重視すべきである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2011年東北地方太平洋沖地震が,日本海溝沿いの長大な震源断層によって発生したため,これに密接に関連する海底活断層や津波に関する調査研究を集中的に行い,その成果を多くの学会で発表することができた.

今後の研究の推進方策

研究の年次計画にしたがって着実に研究を遂行する予定であるが,将来発生する地震や津波の具体像を推定するために,地殻変動や津波のシミュレーションを行う.このために,新たに数名の連携研究者の参加を要請することを予定している.

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Active Faults along Japan Trench and Source Faults of Large Earthquakes2012

    • 著者名/発表者名
      Takashi NAKATA, Hideaki GOTO, Mitsuhisa WATANABE, Yasuhiro SUZUKI, Azusa NISHIZAWA, Noriaki
    • 雑誌名

      Proceedings of the International Symposium on Engineering Lessons Learned from the 2011 Great East Japan Earthquake

      ページ: 254-262

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 詳細海底地形図に基づく南海トラフ域の海底地すべり分布とその特徴-南海トラフから天竜海底谷にかけての例2011

    • 著者名/発表者名
      梶琢, 中田高, 渡辺満久, 他
    • 雑誌名

      海洋

      巻: 43 ページ: 452-458

  • [雑誌論文] 津波被災マップと三陸海岸の津波遡上高(緊急特集東日本大震災)2011

    • 著者名/発表者名
      渡辺満久, 中田高, 小岩直人, 他
    • 雑誌名

      地理

      巻: 56(6) ページ: 58-63

  • [雑誌論文] 3秒グリッドDEMから作成したフィリピン海プレート北縁部の3D画像2011

    • 著者名/発表者名
      中田高, 後藤秀昭, 他
    • 雑誌名

      海洋情報部研究報告

      巻: 47 ページ: 83-89

  • [雑誌論文] 津波被災マップの地理情報でみる津波と被害の特徴(緊急特集東日本大震災)2011

    • 著者名/発表者名
      後藤秀昭, 石黒聡士, 杉戸信彦
    • 雑誌名

      地理

      巻: 56(6) ページ: 72-76

  • [雑誌論文] 2011年東北地方太平洋沖地震に伴う津波の痕跡とその被害2011

    • 著者名/発表者名
      熊原康博, 渡辺満久, 中田高, 他
    • 雑誌名

      第四紀研究

      巻: 50(3) ページ: 149-152

  • [雑誌論文] 東北地方太平洋沖地震の地殻変動と変動地形(特集地震・津波・原発--東日本大震災)2011

    • 著者名/発表者名
      渡辺満久
    • 雑誌名

      東北学.[第2期]

      巻: 28 ページ: 140-150

  • [学会発表] 日向海盆およびその周辺の海底活断層の位置・形状と大地震2012

    • 著者名/発表者名
      中田高, 後藤秀昭, 渡辺満久、鈴木康弘, 他
    • 学会等名
      日本地理学会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      20120328-20120329
  • [学会発表] 日本海溝とその周辺の活断層と巨大地震2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺満久, 中田高, 後藤秀昭, 鈴木康弘, 他
    • 学会等名
      日本地理学会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] 日本海溝沿いの活断層と地震に関する予察的考察2011

    • 著者名/発表者名
      中田高, 後藤秀昭, 渡辺満久, 他
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2011年連合大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      20115021
  • [学会発表] 日本海溝と南海トラフの海底活断層にもとづく地震特性の比較2011

    • 著者名/発表者名
      中田高, 後藤秀昭, 渡辺満久, 鈴木康弘
    • 学会等名
      日本地震学会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2011-10-12
  • [学会発表] 日本海溝沿いの活断層の分布と地震・津波2011

    • 著者名/発表者名
      中田高, 後藤秀昭, 渡辺満久, 鈴木康弘
    • 学会等名
      日本地理学会
    • 発表場所
      大分大学
    • 年月日
      2011-09-24
  • [学会発表] 海底活断層の分布特性からみた日本海溝と南海トラフの地震2011

    • 著者名/発表者名
      中田高, 後藤秀昭, 渡辺満久, 鈴木康弘
    • 学会等名
      日本地理学会
    • 発表場所
      大分大学
    • 年月日
      2011-09-24

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公開日: 2013-06-26  

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