研究課題/領域番号 |
23241079
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
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研究分担者 |
和田 泰三 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (90378646)
速水 洋子 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60283660)
重田 眞義 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (80215962)
奥宮 清人 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (20253346)
坂本 隆太 総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (10510597)
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キーワード | 高血圧 / 糖尿病 / 肥満 / 地域在住高齢者 / 老年医学的総合機能評価 / QOL / ヘルスケアデザイン |
研究概要 |
23年度は、高知県土佐町、ブータンの首都ティンプー、インドネシア・パブア州において、高齢者ヘルスケア事業を展開した。対象は、それぞれの地域に居住する高齢者数百名である。いずれも、老年医学的総合健診を実施して、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病の把握と、抑うつ、認知機能、運動機能、生活機能障害の評価を実施した。その地域の生態、文化の相違にしたがって、その地域固有の方策で、予防対策、健康増進プログラム、ケアーの質を向上させる取り組みを推進した。エチオピアについては、Ethical Clearane取得のための外交交渉を継続中である。 (1)高知県土佐町 町在住高齢者約300名の健診を実施して、糖尿病をはじめとする生活習慣病を早期発見し適切な管理につなげた。また、同時に介護予防として、運動教室、栄養指導教室などを開催した。 (2)ブータン・ティンプー ティンプー在住高齢者320名について老年医学的総合機能評価を実施した。 高血圧の管理が不徹底であること、糖尿病の頻度が予想以上に多いことが判明したので、その対策に関してブータン保健省ならびにティンプー老人クラブと協議を開始した。 (3)ニューギニア・パプア ニューギニア・パプアの中央高地ソロバ地区において約120名、南部沿岸地域バデ地区において130名の住民を対象に健康診断を実施した。 伝統的なライフスタイルを維持している中央高地ソロバでは、生活習慣病の頻度が少ないのに対して、沿岸部バデでは、生活習慣病が増加しつつあることが判明した。現地診療所と協働で、フォロー態勢を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度の所期の目的である本邦高知県土佐町、ブータンの調査は目的を十分に達成した。エティオピアの調査に関しては、Ethical Clearanceの交渉を継続中であり、伝統的な生活習慣を維持しているニューギニアについても調査を実施した。これらの成果は、査読付き原著論文14編に発表した。以上より、研究計画は、おおむね順調に進捗していると判断された。
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今後の研究の推進方策 |
25年度においても、本邦・高知県土佐町、ブータン・ティンプーとカリン、ニューギニア・パプア州における高齢者のフォローアップを行い、ヘルスケア研究を継続する。エチオピアに関しては、引き続きEthical Clearanceの取得に関する手続を続行する。25年度以降、得られた国際比較データをもとに、高齢者ヘルスケアデザインの効果に関する、国際地域間比較解析に着手してゆく予定である。
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