研究課題/領域番号 |
23242049
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 良之 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (50128047)
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研究分担者 |
中野 伸彦 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 助教 (20452790)
岩永 省三 九州大学, 総合研究博物館, 教授 (40150065)
宮本 一夫 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (60174207)
小山内 康人 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (80183771)
溝口 孝司 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (80264109)
舟橋 京子(石川京子) 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (80617879)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 親族関係 / 古人骨 / Sr同位体比分析 / 通婚圏 / LA-ICP-MS |
研究概要 |
①昨年度に引き続き、従来の研究成果を整理検討し、本研究に必要な人骨資料を出土した遺跡の時代・社会等に関する情報について、縄文時代を田中・舟橋、弥生時代を岩永・溝口、西日本各地の古墳については田中・舟橋、モンゴルについては宮本、韓国については岩永・田中、台湾の遺跡については田中・舟橋がそれぞれ分担して再検討・精査して分析資料の選定を行った。また、原始古代社会モデルの再検討を継続して行った(田中・岩永・宮本・溝口・舟橋)。 ②日本各地(田中・舟橋)、モンゴル(宮本・田中)、韓国(田中・小山内・中野)、台湾(田中・舟橋)の歯牙資料の収集(非破壊のため借用)を継続して行った。 ③日本各地、モンゴル、台湾等から得られた出土人骨歯牙エナメル質のSr同位対比分析を継続して行った(小山内・中野・田中・舟橋)。これには学術研究員・協力を得た。また、その過程で歯牙エナメル質の劣化による構造の崩壊とコンタミが確認され、分析結果に大きな影響を与えることが判明した。そのため、非蒸着型マルチアングルSEMで観察を行ったうえで非劣化部分を分析することとした。このエナメル質の劣化については重要な知見であるため、論文化を進めている。 ④研究を円滑に推進し、進捗状況を相互にチェックし成果を共有するため、付き1っかいていどのペースで定期的に担 当者によるワークショップを行い、また海外の協力者・研究者を招聘して国際ワークショップを開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LA-ICP-MS による歯牙Sr同位体比分析については予備的実験を通して、サンプルの研磨やレーザーのビームのサイズ、フォーカスなどの方法的問題をほぼ把握し、エナメル質劣化の問題も克服して分析を推進している。サンプルについては海外を含めて選定を進めており、モンゴルや韓国の新たなサンプルも提供を受け、順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は日本日本各地の資料の分析例を増やし、韓国・台湾についてはさらに資料収集を継続し、て、東アジア資料の分析を進める。さらに、歯牙の借り出しが困難な地域においても歯冠計測値による親族関係研究を進め、Sr同位体比分析の結果と対比して総合的考察を行う。
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