本研究は、リーマンショックが経済的な小国である中東欧への危機がどのように波及したのか、また大国である日本の株式市場にどのような影響を与えたのかに焦点を絞り、進められた。世界経済の変動が同時的に起きることは確かであるが、一方で地域的な特徴があるとの問題意識が出発点である。 5年間の研究によって明らかになったことは次のとおりである。まず、中東欧については外資導入による効率化が一巡化した。外資は一部撤退し、自国通貨取引に回帰している。また、日本については企業間の業績格差が拡大すると同時に、それが上場株式の投資収益率に大きな差異をもたらしている。
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