研究課題/領域番号 |
23246014
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 悟 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80281640)
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研究分担者 |
橋本 明弘 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10251985)
稲垣 祐次 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10335458)
小森 文夫 東京大学, 物性研究所, 教授 (60170388)
水野 清義 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60229705)
ANTON V.Visikovs 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70449487)
寒川 義裕 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90327320)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | グラフェン / ナノ構造 / ナノリボン / バンドギャップ / エピタキシー |
研究概要 |
SiC基板表面の熱分解によるエピタキシャルグラフェン成長は,大面積化・高品質化が可能であるということから基礎物性探索や次世代デバイス応用という観点から注目されている.既に分数・整数量子ホール効果や高い移動度など優れた特性が報告されており,重要性は明らかであるが,構造制御(層数,モフォロジー,ドメイン,積層,界面構造,エッジ)が十分ではないために,各種物性研究やデバイス応用に関して問題が多い.従って,構造―物性相関という観点からの研究アプローチは有意義である.そこで本研究では,傾斜SiC基板表面にユニークに発現する周期化ナノファセット構造(SiCナノ表面)をテンプレートとし,グラフェンナノ構造の自己形成を行い,物性相関を明らかにすることを目的とした.本研究では,特にグラフェンナノリボン(GNR)の成長を主とし,GNR構造によって発現する電子状態やフォノン物性などを観察し,構造ー物性相関を明らかにした.GNR形成に当たっては熱分解では不可避なステップバンチングやワンダリングを抑制するために,固体カーボンソースを用いた分子線エピタキシー法を採用し,その場RHEED観察により,最適なGNR成長条件を得た,本手法の特徴として基板オフ方向を選択することにより,GNRのエッジ状態(アームチェア・ジグザグ)を制御できることが挙げられ,実際にアームチェアエッジGNRの形成に成功した.得られたGNRは幅が5, 10, 15nmであり,角度分解光電子分光(ARPES)によるK点の電子状態の観察から,量子効果による幅依存のバンドギャップが形成されていることを示した.ジグザグエッジGNRの形成時にはSiCのステップが不安定となり,結果的にアームチェアとなることがわかった.テンプレートとなるSiC表面構造の安定化(あるいは安定条件)が今後の課題となる.また,偏光ラマン分光によりアームチェアエッジに局在したフォノン状態を示唆する結果も得た.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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