研究概要 |
ドライバーの行きたい場所の「現在の(動)画像」を車々間通信および路車間,広域通信システムの併用によって伝達し,ドライバーに掲示するリアルタイム画像カーナビシステム実現を目的とし,車々間通信によって車載カメラで撮影した(動)画像情報を,それを必要とする車両へ低遅延かつ無線通信路の混雑を誘発することなく配布し,車両間で共有するための要素技術の基礎的な開発を進めた. 1.車々間ネットワークの高速シミュレーションのため,汎用GPUを用いた計算処理が行えるようにオープンソースのシミュレータの改造を行い,単純な線形型のノード管理を行っている場合に対して,ノード1000台の場合4.9倍の高速化を実現した.さらに,ソフトウェア無線機を用い,省スペースの型の無線アドホックネットワークテストベッドを構成する方法について実験的に検討を進め,屋外環境ならば,本研究で今後進めるネットワークコーディングを用いた情報配布方式の基礎的な評価に適用できることを確認した. 2.ネットワークコーディングと車両の移動特性に基づいて,効率的に車両が取得した位置依存情報(画像等)をOpportunisticな方式で配布するための方式(改良R2D2V)を開発し,シミュレーションによって,移動方向,データの生成からの経過時間に基づいてデータ配信頻度を制御する本方式によって大幅なトラフィック削減が可能であることを確認した. 3.道路上の車両密度に応じて情報複製を配置する車両を決定し,かつ情報の要求を配送する経路を制御する方式評価のために,実道路上の車両移動シナリオを用いた評価用のネットワークシミュレータ設計,および移動シナリオデータ生成方式の設計を行った. 4.複数箇所で撮影したカメラ画像を用い,位置情報を用いず画像情報のみからパノラマ画像を生成する方式,および三次元モデルを構成するシステムを設計し,試験実装を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,位置依存情報の配布方式について,広域ネットワークを含めた方式設計を行う予定であったが,この方式については未検討である.また,開発した手法について実道路を用いた現実的な車両挙動を用いた評価を行うことを目指していたが,今年度はその準備にとどまった.この他はおおむね順調に進展している.
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