研究課題/領域番号 |
23300065
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
久野 義徳 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10252595)
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研究分担者 |
小林 貴訓 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (20466692)
加地 大介 埼玉大学, 教養学部, 教授 (50251145)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 画像,文章,音声等認識 / 知能ロボティックス / 認知科学 / ユーザインターフェース / オントロジー |
研究概要 |
物体認識の研究は統計的機械学習の導入等で近年、進展してきているが、認識率はまだ十分ではない。そこで、自動物体認識が失敗したときには、ユーザに物体に関する情報(物体の属性)を教えてもらい物体を検出する対話物体認識に入るという統合物体認識を検討している。そのためには、人間が物体の属性を状況に応じてどのように表現するかを明らかにし、その表現された属性をもつ物体を画像から検出する必要がある。本研究では、前者の知識を対話物体認識用オントロジーとしてまとめ、それを用いて物体を認識するロボットシステムを開発している。 平成24年度は、これまでに得られた人間の状況に応じた表現法をオントロジーとしてまとめる基本的な枠組みを検討し、部分的に実装した。 また、RGBDセンサを用い、シーンの中の物体を切り出し、形状等の属性を求めるプログラムを開発した。 以上の物体認識用オントロジーと画像属性検出プログラムを、購入した小型人型ロボットに実装した。そして、これにより、まだ、簡単な場合に対してだけではあるが、シーンに存在する物体に応じて、人間の表現を適切に解釈して対話を通じて物体を認識できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
色、形状、材質等の属性に関して対話を行い物体を認識することについては、主要な属性について画像から検出する方法を開発した。そして、実験により有効性を確認し、学会誌論文に投稿し、採択・掲載された。 オントロジーについては、その構成を検討し、基本的部分について実装した。そして、これまでに開発した画像属性検出と組み合わせて有効性を確認し、現在、学会誌論文を投稿中である。 さらに、これまでの成果をロボットシステムに実装することを始めており、簡単な場合ではあるが、ロボットと対話を行い、ロボットが認識したものを指差すことができるものを実現している。 以上のことから、研究は計画どおりに順調に進展していると判定できる。
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今後の研究の推進方策 |
システムの基本的な部分はできているので、今後は、実証実験可能なレベルの統合物体認識を実装したロボットシステムの開発を行う。開発の段階に応じて実験による評価を行い、その結果をもとにさらに開発を進めていく。具体的には、以下のように研究を進めていく。 1.物体認識用オントロジーの改良 前年度までに開発した物体認識用のオントロジーを想定した応用で出現する状況に対応できるように拡張、改良を行う。 2.ロボットシステムの開発 これまでに開発を進めてきた統合物体認識システムを前年度に購入したロボットシステムに実装する。そして、実際の応用で想定される様々な状況で実験を行いながら、ロボットシステムを改良する。
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