• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

計量言語学的手法を用いたコーパスからの漢字特徴量抽出と新常用漢字の教育実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23300300
研究種目

基盤研究(B)

研究機関愛知教育大学

研究代表者

野崎 浩成  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80275148)

研究分担者 中津 楢男  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90133131)
江島 徹郎  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10335078)
梅田 恭子  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70345940)
齋藤 ひとみ  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00378233)
多鹿 秀継  神戸親和女子大学, その他の研究科, 教授 (30109368)
横山 詔一  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60182713)
田中 佳子  日本工業大学, 工学部, 准教授 (10406423)
吉根 勝美  南山大学, 経済学部, 准教授 (50230785)
キーワード漢字教育 / コーパス / データマイング / 教育工学
研究概要

平成22年に「常用漢字表」は大規模な改訂がなされた(文化庁文化審議会 2010)。この改訂で,常用漢字1945字から5字を削除し,新たに196字を加える旨の答申がなされた。そこで,本年度の研究では,常用漢字表に追加あるいは削除された漢字の使用実態や辞書掲載状況を分析することを目的とした。最初に,常用漢字表から削除された漢字5字を対象に,その特徴を計量的に分析した。さらに,平成22年の改訂で新たに追加された漢字との比較を行うことで,常用漢字表への字種の追加・削除が妥当なものなのかを検討するための基礎的な資料を提供する。そして,本研究で得られた知見は,小中学校や高等学校における漢字の教育についてのカリキュラム開発や,学年別漢字配当表や教育漢字の妥当性を検討する上でも重要な基礎的データとなり得るものであり,その教育的意義は著しく大きいといえる。
最初に,異なる出版社から刊行されている複数の辞書を対象にして,平成22年の改訂で常用漢字表から削除された5つの漢字の辞書掲載状況を分析した。その結果,日常生活で利用される機会が少なくなった単位(「勺」「匁」)を表すもの,他の表記で置き換えて表現可能なもの(脹れる=>膨れる,錘=>おもり),近代日本を支えた主要産業「紡績」や,伝統的な職人文化である「鍛冶」に関連する漢字(紡錘,銑鉄などで使われている「錘」「銑」の2字)などの特徴が見られた。さらに,これら5つの削除漢字は,Webサイト上での検索結果(件数)には大きな開きがあり,10倍以上も異なっている漢字が存在することが分かった。さらに,新常用漢字表に新たに追加された漢字であっても,検索結果(件数)の平均が100件にも満たない漢字(「彙」「拶」)が存在する一方で,「凄」のように約12万7千件にも達するような漢字が存在することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

常用漢字表から削除された漢字の辞書掲載状況を複数の辞書を用いて分析することができました。さらに,Webサイトにおける漢字の使用実態を分析することもできました。よって,おおむね,順調に進展しているといえます。

今後の研究の推進方策

常用漢字表に新たに追加された漢字は,今後,学校教育の中で積極的に扱われることとなる。また,書籍や新聞,教科書,インターネット上でも使用される頻度が高くなると推察される。このように常用漢字表の改訂は,我が国の学校教育や言語生活に多大な影響を及ぼすものと考えられるので,今後も調査を拡大し,精度の高い分析を行っていく必要がある。今年度は,Webサイトを対象とした分析を行ったが,今後は,信頼性の高い大規模日本語コーパス(たとえば,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』BCCWJなど)を用いた分析を行うことで,1.Webサイトとの結果を比較する,2.分析の精度をさらに高める,3.親密度など他の心理学的な指標との比較を行うことで,どのような特徴があるのかを明らかにする,などについて今後は取り組んで行きます。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 「常用漢字表」改訂に関する研究 ―常用漢字表から削除された漢字の辞書掲載状況の分析―2012

    • 著者名/発表者名
      野崎浩成
    • 雑誌名

      愛知教育大学研究報告, 教育科学編.

      巻: 第61輯 ページ: 207-211

  • [学会発表] The Methods of Learning Japanese Kanji -Writing Practice for Basic Kanji-2012

    • 著者名/発表者名
      Hironari NOZAKI
    • 学会等名
      Joint Forum 2012 with ITC and Japan Researcher (University and Venture comapny)
    • 発表場所
      カンボジア工科大学(カンボジア)
    • 年月日
      20120326-20120327
  • [学会発表] インターネット依存度と問題解決方法の関係について2012

    • 著者名/発表者名
      岡田拓也、野崎浩成
    • 学会等名
      2011年度教育システム情報学会学生研究発表会
    • 発表場所
      名城大学 名駅サテライトMSAT
    • 年月日
      20120313-20120313
  • [学会発表] 自ら学ぶ姿勢を支える学習者の特性2011

    • 著者名/発表者名
      たなかよしこ(田中佳子)
    • 学会等名
      日本リメディアル教育学会第7回全国大会
    • 発表場所
      福岡大学
    • 年月日
      20110902-20110903
  • [学会発表] e-Learning 教材の共有化における諸課題の解決に向けて2011

    • 著者名/発表者名
      吉根勝美
    • 学会等名
      教育システム情報学会第36回全国大会
    • 発表場所
      広島市立大学
    • 年月日
      20110831-20110902
  • [学会発表] 大学教育におけるe-Learning2011

    • 著者名/発表者名
      野崎浩成
    • 学会等名
      教育システム情報学会東海支部勉強会
    • 発表場所
      南山大学
    • 年月日
      20110805-20110805
  • [学会発表] 生涯学び続ける学士を育てるための授業アプローチを探る2011

    • 著者名/発表者名
      たなかよしこ(田中佳子)
    • 学会等名
      大学教育学会 第33回大会
    • 発表場所
      桜美林大学
    • 年月日
      20110604-20110605

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi