研究課題/領域番号 |
23310194
|
研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
竹安 栄子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (70131414)
|
研究分担者 |
春日 雅司 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (90152660)
|
キーワード | 地域社会 / 地域政治 / 女性の政治的過少代表 / 自治体再編 / 平成の大合併 |
研究概要 |
本研究の目的は、地域政治における女性の過少代表という現状を改革するため、(1)制度改革を含む抜本的対策と(2)戦略的視点に立った実践的活動について具体的方策を提起するための基礎的研究の展開にある。すなわち、a)合併の地域別パターンが議員類型(「地元型」、「政党型」、「市民型」)別女性議員の選出に与えた影響を検証すること、b)1994年と2000年に実施した女性地方議員の実態に関する調査研究を基盤として、約30年にわたるデータを構築すること、c)諸外国の経験を地域社会と地方議員の関係性の視点から分析し、日本の地方選挙制度改革を考えるための具体的示唆を得ることの3点が本研究の目的である。 平成24年度は、(1)調査設計(仮設の精緻化、調査項目の作成、検証方法の確定)から、調査対象となる約4,100名の女性地方議員(正確な議員数は2011年末に確定。これはあくまで調査設計上の数値である)について、自治体ごとの名簿確定、調査票の作成、(2)予備調査、(3)郵送調査の実施(自治体への調査票の発送から回収まで)を計画に従って実施した。(1)調査設計:共同研究者と数次にわたって研究会を開催し調査票の作成、調査の実施に向けての準備を進めた。(3)郵送調査の実施:郵送調査の実施に先立って、母集団確定のため自治体ホームページないしは電話によって女性議員数の把握に努め、2012年2月末日の調査結果をもって調査対象者を確定した。3月末日を返送締切として3月10日に議会事務局を通して調査票を発送(発送数4008)、3月24日までに約800票を回収した(4月末現在回収数1460)。発送直後より、調査への問い合わせの受付、エディティング・ファイリング作業を開始し、併せて一部コーディング作業にも着手した。(2)予備調査:浜松市・静岡市で資料収集を実施した。イギリスの研究者との情報交換と資料集を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に計画した研究内容をほぼ予定通り実施することができた。郵送調査は、予想回収率(50%)を達成することは出来なかったが(最終回収率37%程度の見込み)、近年の郵送調査の回収状況を考えると概ね順調であったといえる。回収作業と同時に次年度に予定しているコーディング作業にも着手することができ、この点では当初計画以上に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、(1)前年度に回収した調査票のデータ化(於:京都女子大学)と(2)EPOP(Election, Public Opinion and Parties)年次大会での学会報告と海外の研究者との情報交換を主要な研究課題として当初予定していた。(1)のデータ化についてはすでに着手しており、6月には入力作業に入り、7月より分析に取り掛かる予定である。ただ(2)の研究課題については計画を変更する。その理由は次の通りである。2011年5月に予定されていたスコットランド統一地方選挙が、2012年5月に延期された。今回のスコットランド統一地方選挙の調査研究は、本研究の目的の一つである諸外国の経験を学ぶ絶好の機会であると考え、当初計画にあった学会報告を今年度に実施されるスコットランド統一地方選挙調査に変更し、現地での資料収集と研究者との情報交換を行うこととする。
|