研究課題
基盤研究(B)
漆塗膜に含まれるストロンチウムSrの同位体比(Sr-87/Sr-86)を測定することによって、日本列島産と中国産を識別出来ることを初めて示した。ウルシが生育した土壌中のSr同位体比が、漆液に保存され、漆塗膜を形成するまで同位体分別は起きていないことを確認した。赤色顔料を含む漆塗膜についても適用可能である。縄文時代後・晩期の遺跡の漆を分析し、遺跡で生育したウルシから漆液を採取していたことを初めて明らかにした。このことは、埋没していた遺物の同位体比が、続成作用の影響を受けていないことを示しており、この手法が、考古遺物に適用出来ることを実証した。
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