研究課題
今年度は最終年度であり、一連の研究のまとめの時期であった。本研究は、(1)裁判員制度の下での量刑を理論的に検討し、その成果を裁判員または一般人向けの体系書にして公表すること、(2)量刑の理論面については、ドイツ刑法学者との国際シンポジウムでいっそうの発展を図ることが最終的な目的であった。それぞれについて、成果を得たので、以下順に記述する。(1)では、これまでの研究会での個別報告および講演等により得られた知見をまとめるために、単行本を出版することとし、研究代表者、分担者および実務家による編集委員会を結成し、単行本の目次を作成し、担当者を割り当てた。理論的な根拠づけにより考察された量刑の原則をすることを内容とする。締切日は2014年3月末であったが、原稿が集まりつつある段階であり、今年度中には出版の予定である。(2)では、2014年3月17日から19日に、ドイツのフライブルク大学において、「制裁法の現代的諸問題(Aktuelle Fragen des Sanktionenrechts)」と題する日独シンポジウムを開催した。日本人参加者は5名、ドイツ人参加者は6名のパネリストおよび大学院生等の聴講者であった。本シンポジウムは、日本人参加者がドイツ語で日本の制裁法上の諸問題を講演し、それに対して、ドイツ人研究者がコメントを加え、全員でディスカッションをするという形をとった。そこで行われた制裁法上の諸問題とは、1.日本の制裁法に関する概観、2.危険な犯罪者に対する刑法上の措置、3.交通事犯の厳罰化、4.法人制裁の諸問題、5.執行猶予制度(近時の刑の一部執行猶予制度を含む)であり、ドイツとの比較、理論的な諸問題についてのさまざまな知見を得た。本シンポジウムの内容は、日本語およびドイツ語の双方で公刊することとした。原稿化においては、学術的な理論面での検討を中心にまとめる予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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比較法学
巻: 47巻3号 ページ: 165-184
刑法雑誌
巻: 52巻3号 ページ: 521-526
法と心理
巻: 13巻1号 ページ: 46-50
巻: 52巻2号 ページ: 243-259
巻: 52巻2号 ページ: 260-278
法律時報
巻: 85巻8号 ページ: 42-47