研究課題/領域番号 |
23330034
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研究機関 | 聖学院大学 |
研究代表者 |
大木 雅夫 聖学院大学, 政治政策学研究科, 教授 (10053563)
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研究分担者 |
田中 浩 聖学院大学, アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科, 教授 (20015358)
中村 健吾 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70254373)
穴見 明 大東文化大学, 法学部, 教授 (70144102)
田中 拓道 一橋大学, 社会学研究科, 准教授 (20333586)
廣瀬 真理子 東海大学, 教養学部, 教授 (50289948)
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キーワード | EU / 民主主義 / 福祉国家 / 平和主義 / 政治思想 / 地域政策 / 社会保障 / 人権共同体 |
研究概要 |
2011年度は3回研究メンバーによる研究会を開催した。 第1回5月28日(土)16時30分~18時、聖学院本部新館第2会議室。ここでは科研費申請から採択までの経緯について田中浩が説明した。ここではEUの制度的研究だけではなく社会民主主義・福祉国家・平和主義の側面から各国のEUへの参加の実態について研究すべきことが強調された。次いで「基盤研究」という大型プロジェクトは聖学院では最初のことであるので聖学院大学としては全面的に支援することを聖学院理事長・学長である阿久戸光晴が述べた。その後研究代表者の大木雅夫が本研究の成果を達成するための決意を表明した。その後各研究分担者が自己紹介、各々の専門分野の説明および研究内容について報告し討論をおこなった。 第2回は7月9日(土)17時30分~19時、聖学院本部新館第2会議室。今回は、イギリスのシェフィールド大学教授グレン・フック氏の「EUとイギリス」というテーマでの報告を受け、その後討論をおこなった。フック氏は日本留学時以来田中浩の指導を受け、現在イギリスにおける「英日文化交流委員会」の議長をつとめている政治学者である。講演ではEUの主要メンバーであるフランスやドイツとイギリスの立場の違いについて報告され、研究メンバーのすべてが大陸諸国の研究者であるのでEU研究を進める上できわめて有益であった。 第3回は12月12日(月)4時30分~6時30分、聖学院大学本部新館第2会議室において、「研究プロジェクト」の代表者、聖学院大学大学院教授大木雅夫の「EUと民主主義」という報告がおこなわれた。報告はEUの結成は2500年にわたるヨーロッパ・デモクラシーの背景なしには成立しえなかったこと、EUが21世紀世界におけるデモクラシーと平和の中心的役割を果たすことになること、その他EU内におけるさまざまな問題点について指摘がなされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本におけるEU研究はアメリカ研究などとくらべていちじるしく遅れている。その理由は対象国が27カ国と多く、また各国毎の政治・経済・社会の研究はあってもEU問題を中心にした研究がほとんどない。こういう中で、われわれの研究グループは政治・法・経済・社会の専門研究者からなり、また田中浩を中心に10年近い研究会を続けてきているので、今後十分なる成果を期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は2年目に入るので、(1)まず分担する主要国について実地調査を行なう。(2)また日本におけるEU研究の理由を精査し、全国的なネットワークを形成して研究の拡大・深化をはかる。(3)こうした研究をまとめて出版する準備をすすめる。
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