研究課題/領域番号 |
23330180
|
研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
中田 知生 北星学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (10265051)
|
研究分担者 |
高野 和良 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (20275431)
岩間 暁子 立教大学, 社会学部, 教授 (30298088)
川村 岳人 健康科学大学, 健康科学部, 講師 (30460405)
加川 充浩 島根大学, 法文学部, 准教授 (40379665)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 社会関係資本 / 量的調査 / 質的調査 / コミュニティ / 住民参加型活動 |
研究概要 |
平成25年度の本科研プロジェクトにおける主たる活動として、フィールドの観察とその他の地域での踏査がある。まず、前者については、各研究者が持っているフィールドがどのようにその社会関係資本を醸成しうる市民参加型の活動を進めているかを、さまざまな見地から観察することである。特に、次年度においては、エヴァリュエーション調査が予定されているために、その変化の要因について見極める必要がある。その観察は本研究においては重要なものである。これらからは、まずコミュニティを観察する枠組み、特に、質的にしか見極めることができない要因が見て取れた。特に、さまざまな活動を決定していく過程、ここは住民の議論や思いが交錯するところであるが、そのようなものを見て取ることができた。これらは、ここのコミュニティにおいては、異なる形態として表出するものである。したがって、今後は、これらを抽出する方法や、また、異なるコミュニティが比較可能な枠組みをさらに考えていかなければならない。 後者のフィールド以外の地域の踏査については、今回のプロジェクトの対象とはなっていないものの、このようなコミュニティと社会関係資本の研究に重要と思われるようなフィールドを訪問し、聞き取り調査を中心とするデータ収集を行った。まず、これらの地域は特に、住民参加型の地域活動が盛んなところであるために、そのプロセスを各種のポイントを押さえつつうまく観察することができるというメリットがある。これらを参考に上記のような地域を観察する枠組みを発展させるという意味があると考える。ただし、このような活動が盛んな地域は、リーダーが前に出てくるような傾向があるために、その他の地域内の一般の人々とかかわるような機会が少なくなる。これらを考慮したうえでの観察が今後も必要であると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れていると書いたのは、やはりこの科研プロジェクトの初年度において、住民参加型活動がおこりそうな地域をうまく探すということが難しかったという点にある。初年度は、観察の初期値として重要なデータを収集する時点となる。しかし、それがいくつかのフィールドにおいて少々送れたために、比較のため時間軸を設定することが難しくなったことが挙げることができる。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、最終年度であるので、まず、初年度との比較のための調査を行う必要がある。そのための準備はできているつもりである。ただし、当初のフィールド選択では予期していなかったことではあるが、思ったよりも住民参加型活動が盛り上がっていなかったり、社会福祉協議会などで退職や異動などによりその後の地域の観察が難しかったりするフィールドも存在する。それらについては、もういちど、フィールドを訪問し、今回の研究の目的やそれらにより地域にもたらさせるメリットなどについて再び話し合うなどが必要と考える。また、それ以外にも、引き続き、地域を観察して、地域を比較可能な枠組みとして捉える努力を行う必要があると考える。
|